2017/11/14

独断的映画感想文:太陽のめざめ

日記:2017年11月某日
映画「太陽のめざめ」を見る.1_4
2015年.監督:エマニュエル・ベルコ.
出演:カトリーヌ・ドヌーヴ(判事),ロッド・パラド(フェランド・マロニー),ブノワ・マジメル(ヤン),サラ・フォレスティエ(マロニーの母).2_4
映画の冒頭は判事の部屋,6歳のマロニーの悪童ぶりに、呼び出された母親が判事に逆ギレして部屋を飛び出す.
それから10年後,マロニーは学校にも行かず,出来ることは車泥棒のみ,再び判事の前に出頭する.父や祖父は名うてのワル,マロニーを育てた母親は育児より男と酒と薬にふける女性.3_4
マロニーは誰も信頼せず全ての大人に敵意をむき出しにし,只母親からは自立できていない荒んだ若者となっていた.判事はマロニーに教育係ヤンをつけて矯正施設に送るが….
マロニーを何とか自立させようとする判事や教育係の努力は,並大抵ではない.
マロニーは本性は善人であり心優しい男の子だ.しかしひとを信じず自分を抑えることが出来ず,自分が傷つく前にひとを傷つけようとする.周りの大人の努力に応じて改善の兆しが見られては,感情の爆発で全てを無に帰してしまい,遂には刑務所に送られるマロニー.
映画の大半はそのような1歩前進2歩後退の積み重ねだ.自分ではどうしようもなく自らを追い詰めていくマロニーに,涙を禁じ得ない.4_4
映画の最後にしかし彼は変容を見せる.彼を変えたのは,彼を指導し愛を与える人々だけでなく,彼に頼り,彼に愛を求め,彼を必要とする人々だった.
俳優達がいずれも好演,特にベテラン:カトリーヌ・ドヌーブと新星:ロッド・パラドが素晴らしい.見応えのある映画.
★★★★(★5個が満点)
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独断的映画感想文:われらが背きし者

日記:2017年11月某日
映画「われらが背きし者」を見る.1_3
2016年.監督:スザンナ・ホワイト.
出演:ユアン・マクレガー(ペリー),ステラン・スカルスガルド(ディマ),ダミアン・ルイス(ヘクター),ナオミ・ハリス(ゲイル),ジェレミー・ノーサム(オーブリー).2_3
ペリーは詩を講義する大学教授,妻のゲイルは弁護士で稼ぎが良い.マラケシュで休暇中の二人はレストランに行くが,途中で仕事の電話が入ったと言ってゲイルは帰ってしまう.
残されたペリーはレストランに居た男ディマと打ち解け,彼に誘われてロシア人のパーティーに行き,更に翌日彼の家族とテニスをする.3_3
ペリーを信用したディマは,ロシア・マフィアのマネーロンダリングのための銀行が近々設立されること,設立後は用済みとなったディマは家族もろとも抹殺されると考えられることを話し,MI6に情報提供し家族を保護して貰うための仲介をペリーに依頼したいと言う.
ペリーはやむなく引き受け,情報ファイルをMI6のヘクターに渡す仲介を引き受ける.ヘクターは情報の受け渡しには,ディマが信用するペリーの立ち会いが不可欠と言い,ペリーとゲイルは不本意ながらMI6とロシア・マフィアの攻防に巻き込まれていくが….4_3
ジョン・ル・カレ原作のサスペンス映画.
ヘクターが使うイギリス官僚特有の二枚舌のお陰で,ペリーとゲイルはディマの家族を守る命がけの闘いに参加する羽目になる.
ロシア・マフィア番頭格のディマが,悪人とは言え豪放磊落で魅力的な人物,ペリーが惚れ込むのももっともと観客も受け止めるだろう.終盤,フランスアルプスの山間で空中爆発するヘリコプターのシーンは,悲劇的だが誠に美しい.5_3
映画にはあちこちに伏線やどんでん返しがちりばめられ,最後まで一気に見ることが出来る.
★★★★(★5個が満点)
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独断的映画感想文:ダゲレオタイプの女

日記:2017年11月某日
映画「ダゲレオタイプの女」を見る.1_2
2016年.監督:黒沢清.
出演:タハール・ラヒム(ジャン),コンスタンス・ルソー(マリー),オリヴィエ・グルメ(ステファン),マチュー・アマルリック(ヴァンサン),マリック・ジディ(トマ),ヴァレリ・シビラ(ドゥーニーズ),ジャック・コラール(ルイ).2_2
ホラー映画.黒沢監督以外のキャスト/スタッフは基本的にフランス人.
パリ郊外の邸宅でダゲレオタイプの写真工房を営むステファンは,気難しい芸術家.ジャンは助手として雇われ,娘マリーをモデルとする撮影を手伝う.3_2
等身大の銀版を直接露光して行う長時間撮影,マリーは60分を超える撮影のモデルを務めるが,一方で自身は別の人生を目指し植物園への就職活動を行っている.
ステファンの今は亡き妻も撮影モデルを務めていたが,ステファンとは確執があった様だ.邸宅は再開発地区にあったため,ジャンはステファンに移転を認めさせ,マリーとの新しい生活を得ようと夢見るのだが….4_2
黒澤映画らしい味と雰囲気に満ちた映画.映画での亡霊の考え方は日本的で,例えば亡霊と知らず女性とつき合っていると,男がやせ衰えていくのを自身は自覚しない,というのは西洋ではあまり見ないようだ.
ステファンと妻の関係は今ひとつ分かり難かったが,それ以外は特に思いがけないことは起こらず,ステファンの芸術家としての狂気と邸宅の状況から,起こるべき結末が起こったという気がする.5_2
ラストへの展開には納得.「消えた声が、その名を呼ぶ」で見たばかりのタハール・ラヒムが,透明感あるコンスタンス・ルソーと共に好演.
★★★☆(★5個が満点)
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独断的映画感想文:イレブン・ミニッツ

日記:2017年11月某日(日)
映画「イレブン・ミニッツ」を見る.1
2015年.監督:イエジー・スコリモフスキ.
出演:リチャード・ドーマー(映画監督),パウリナ・ハプコ(アンナ),ヴォイチェフ・メツファルドフスキ(アンナの夫),アンジェイ・ヒラ(ホットドッグ屋の主人),ダヴィッド・オグロドニック(バイク便の男),アガタ・ブゼク(登山家(女)),ピョートル・グロヴァツキ(登山家(男)),ヤン・ノヴィツキ(画家),アンナ・マリア・ブチェク(医者),ウカシュ・シコラ(少年),イフィ・ウデ(犬を連れた女),マテウシュ・コシチュキェヴィチ(元ボーイフレンド),グラジナ・ブウェツカ=コルスカ(産気づいた女),ヤヌシュ・ハビョル(死んだ男).2
2014年11月7日17時からの11分間に発生した出来事を描く群像劇.
群像劇と言えば,複数の人々の行動を描いていき,それがある時点で一点に収斂してハッピーエンドになったり破滅になったりという結末を描くもの.本作もそのように進行する.3
映画監督とホテルで17時に面談する女優は,出かける前夫といちゃついている.夫は誰かと喧嘩したらしく左目にアザがある.
ムショから出てホテルの前でホットドッグ屋を始めている男,その息子はバイク便で働くがヤクの売人も兼ね,売った先の人妻と不倫もしている.
登山家の男は,アルバイトのホテルの外壁補修中の休憩時間を,窓から入れるホテルの一室で過ごすが,そこに登山家の女が来て共にポルノを見る.4
水彩画家の老人と質屋の強盗未遂犯の少年が,同じバスに乗り合わせてホテル前のバス停に来る.
救急隊は酔って暴れる男を排除して逆子を分娩しかけている女性を救助し,病院に向けホテル前を急行中だ.ここからラストシーンへ映画は一気に収斂していく….5
監督の視点には人間ドラマを俯瞰している神の視点がある様で,TV画面に突然浮かび箴言めいたことを言う男性や,空の片隅に現れている黒い点などが,それを暗示している.ひょっとしたら,この事件全体が神の気まぐれなのかも知れない,とも思わせる映画だ.映像と音響が凝っていて緊迫感を盛り上げていく.
★★★☆(★5個が満点)
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2017/11/13

番外:独断的歌舞伎感想文 坂崎出羽守/沓掛時次郎

日記:2017年11月某日
国立劇場で歌舞伎鑑賞.H2911kabukihonomote03_1
山本有三=作・二世尾上松緑=演出・中嶋正留=美術.「坂崎出羽守(さかざきでわのかみ) 四幕」.第一幕 茶臼山家康本陣,第二幕 宮の渡し船中,第三幕(一) 駿府城内茶座敷, (二) 同 表座敷の一室,第四幕 牛込坂崎江戸邸内成正の居間.
長谷川伸=作・大和田文雄=演出.釘町久磨次=装置.「沓掛時次郎(くつかけときじろう) 三幕」.序幕(一) 博徒六ッ田三蔵の家の中,(二) 三蔵の家の外,(三) 再び家の中,(四) 再び家の外,(五) 三たび家の中,二幕目 中仙道熊谷宿裏通り,大詰(一) 熊谷宿安泊り,(二) 喧嘩場より遠からぬ路傍,(三) 元の安泊り,(四) 宿外れの路傍.
(出演)中村梅玉,中村魁春,尾上松緑,中村松江,坂東亀蔵,中村梅枝,中村歌昇,市村竹松,市川男寅,中村玉太郎,尾上左近,市村橘太郎,中村歌女之丞,嵐橘三郎,河原崎権十郎,市村萬次郎,坂東楽善,市川左團次.
「坂崎出羽守」は初見.千姫を救ったら嫁に取らすとの大御所の約束を得て,顔に重傷を負いながら救出に成功した出羽守.しかし千姫には嫌われ,家康と金地院崇伝の二枚舌のために武士の面目さえ失う事態になる.
地味で暗い台詞劇ながら心に迫るのは,直情径行激しやすい出羽守と,演じる松緑の人柄が重なって見えるからだ.松緑と橘太郎が好演.緊張感高い良い芝居.
「沓掛時次郎」は映画(初代・中村錦之助)でも見たが,ここでも橘太郎が梅玉の相手をして良い芝居.魁春はやくざの女房にはちょっと似合わない.
2作とも地味な芝居のためか,客席の入りは良くない.
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独断的映画感想文:ブレードランナー 2049

日記:2017年11月某日
映画「ブレードランナー 2049」を見る.20491
2017年.監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ.音楽:ヨハン・ヨハンソン,ベンジャミン・ウォールフィッシュ,ハンス・ジマー.
出演:ライアン・ゴズリング(K),ハリソン・フォード(リック・デッカード),アナ・デ・アルマス(ジョイ),マッケンジー・デイヴィス(マリエット),シルヴィア・フークス(ラヴ),レニー・ジェームズ(ミスター・コットン),カルラ・ユーリ(アナ・ステリン),ロビン・ライト(ジョシ),ショーン・ヤング(レイチェル),デイヴ・バウティスタ(サッパー),ジャレッド・レトー(ニアンダー・ウォレス).
20492
荒廃した近未来の地球,労働力として人造人間レプリカントが製造された.しかし旧タイプのレプリカントは叛乱を起こし,製造元のタイレル社は倒産,旧型はブレードランナーと呼ばれる追跡者により処分される.
その後天才科学者ウォレスは合成食料の技術を確立,その労働力として新型レプリカントの製造を開始する.
ロサンゼルス警察の捜査官Kは新型レプリカント,旧型レプリカントのサッパーを処分した時,その農場の木の根元に不審な箱を発見する.箱からは出産時に死亡したと考えられる女性レプリカントの骨が出て来た.
レプリカントには生殖能力はないため,Kの上司ジョシはその事実の公表を禁じ,Kに証拠の破壊と生まれた子供の処分を命じる.20493
一方その事実を知ったウォレスは,新型レプリカントの生殖能力を完成するため,秘書の新型レプリカント・ラヴにKの追尾と子供の確保を命じる.Kは捜査の進展の中で,その子供は自分ではないかと考え始めるが….
レプリカントへの差別と荒涼とした地球を背景に,緊張感高く描かれるレプリカント出生の謎.商業主義の暴走の果てに,荒廃し貧困のはびこった近未来の都市の描写が圧倒的だ.
この映画にはレプリカントを始め人間ではないものが登場する.なかでも捜査官Kの恋人ジョイのエピソードが印象的だ.20494
ジョイはクラウド上のAI,Kの自宅の投影機でホログラムとして再生される.Kはサッパー事件の報償として得たボーナスで携帯端末を購入,ジョイは常にKと行動を共にできる様になる.Kが独自行動を取ることになった時ジョイはKと共に居ることを選び,自身の存在からKの居場所を知られるのを避けるため,クラウド上の自身のデータを抹消して全てを携帯端末にダウンロードする.携帯端末が破壊されればジョイは消失してしまうが,それで良いとジョイは言う.「人間の女性と同じになるだけだから」.このシーンも哀切だ.
かってのブレードランナー・デッカードの再登場も心に残る.彼と旧型レプリカントとの関係が,以後の世界の状況を左右することになるのだ.20495
終盤に向けての物語の展開はなかなかにスリリング.最終シーンの哀しさ,清冽さは心に残る.
監督は「メッセージ」のドゥニ・ヴィルヌーヴ,彼と「メッセージ」でコンビを組んだヨハン・ヨハンソンをはじめとする音楽・音響の効果も素晴らしい.163分の長尺を一気に見た.見て損はなし.
★★★★☆(★5個が満点)
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独断的映画感想文:神様メール

日記:2017年10月某日
映画「神様メール」を見る.1
2015年.監督:ジャコ・ヴァン・ドルマル.
出演:ブノワ・ポールヴールド(父(神様)),カトリーヌ・ドヌーヴ(マルティーヌ),フランソワ・ダミアン(フランソワ),ヨランド・モロー(母(女神)),ピリ・グロイン(娘(エア)),ローラ・ファーリンデン(オーレリー),セルジュ・ラヴィリエール(マルク),ディディエ・ドゥ・ネック(ジャン=クロード),ロマン・ゲラン(ウィリー),マルコ・ロレンツィーニ(ヴィクトール),ダヴィッド・ミュルジア(兄 イエス・キリスト).2
ブリュッセルのアパートの一室に住んでいるのは神,傲慢不遜な人物である.
コンピュータを駆使して全人類の運命を支配している.娘のエアはこの横暴な父親と無抵抗な母親に愛想が尽き,家出することにする.
父親が酔っ払って寝ている隙に書斎に侵入,PCを操作して全人類にその余命を通知するメールを送り脱出する.世界は大混乱に陥るが,エアは使徒を選び,その行状や希望を脱出後最初に会ったホームレス・ヴィクトールに新・新約聖書として筆記させる.
3
使徒は,幼少時の事故で左手が義手のオーレリー,鳥の群れの後を何処までも追いかける冒険家JC(ジャン=クロード),性的妄想者マルク,殺し屋のフランク,ゴリラと恋するマルティーヌ,病弱な少年ウィリーの6人.
エアの後を追ってきた父親が,脱出路から自室に戻れないでいるスキに,エアは自分の使える小さな奇跡を利用して,使徒を訪ね続けるが….4
ややブラックなコメディ・ファンタジー.PCを離れたら只のむかつくげす親父に過ぎない神が徹底的にからかわれる一方,それぞれ真摯に生きる使徒達を訪ねるエアの無垢なかわいさが何とも言えない魅力.
使徒の合計が6+12=18名になって急に元気の出た野球(1チーム9名)好きの母親が,掃除の時に引っこ抜いたPCのコンセントを戻し,再立ち上げの設定を好き勝手にいじくることで,地球がどうなるか.
ラストまでほのぼのと楽しい映画である.
★★★★(★5個が満点)
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2017/11/05

独断的映画感想文:エクス・マキナ

日記:2017年10月某日
映画「エクス・マキナ」を見る.1_2
2015年.監督:アレックス・ガーランド.
出演:ドーナル・グリーソン(ケイレブ),アリシア・ヴィカンダー(エヴァ),オスカー・アイザック(ネイサン),ソノヤ・ミズノ(キョウコ).2_2
IT会社に勤めるケイレブは社内抽選に当たって,社長ネイサンの住む山の中の別荘へ1週間の招待を受けることになる.ネイサンは検索エンジン:ブルーブックの開発者として知られる普段は姿を見ることすら出来ない人物だった.
別荘でケイレブは,ネイサンが開発した人工知能を持つアンドロイド:エヴァが,自意識を持つかどうかのテストに参加することになる.美貌のエヴァとの会話を続けるうちに,ケイレブはエヴァに恋心を抱く様になる一方,エヴァは停電で監視カメラが切れる瞬間を利用して「ネイサンは嘘つきだ」とケイレブに伝える….
世界から隔離された環境で繰り広げられる,ケイレブとネイサンとエヴァの会話によるドラマ.3_2
純粋で親切だが偏執的なケイレブと,悪意に満ちた創造神ネイサン,恐るべき知能と観察力を持ちながらどこかあどけなく世間知らずでもあるエヴァ,それぞれが交わす会話がスリリングだ.
構図としては,エヴァをテストするためにネイサンがケイレブを指揮しているかたちだが,結末ではその構図は完全にひっくり返る.その展開を楽しむ映画.
題名はラテン語で意味は「機械仕掛の神」とのこと.登場人物の名も聖書から取られている.寓意性のあるSF映画.
★★★☆(★5個が満点)
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独断的映画感想文:ダーク・プレイス

日記:2017年10月某日
映画「ダーク・プレイス」を見る.1
2015年.監督:ジル・パケ=ブランネール.
出演:シャーリーズ・セロン(リビー・デイ),ニコラス・ホルト(ライル),クロエ・グレース・モレッツ(若き日のディオンドラ),タイ・シェリダン(若き日のベン),スターリング・ジェリンズ(若き日のリビー),コリー・ストール(ベン・デイ),クリスティナ・ヘンドリックス(パティ・デイ).2
リビー・デイは28年前に発生した一家惨殺事件の生存者,母と姉2名が殺された.リビーの証言により兄ベンが殺人犯として有罪となり,現在も収監されている.
リビーはそれ以来,全米から寄せられた義援金で暮らしてきたが,それも尽きようとしている.金に困ったリビーは,「殺人クラブ」と名乗る団体のライルの依頼で,事件の概要を話すことになる.3
クラブのメンバーはベンの無実を証明しようとしている様だ.自分の記憶と証言は間違いなかったのか,リビーは事件以来初めてその記憶と向き合い,また関係者との面談を通じて事件の真相を探り始める….
この家に死を呼び込んだのは結局誰か,を巡る物語.1980年代のカンザス州の絶望的な農業不況と,悪魔崇拝の流行が,この事件の背景である.4
15歳だったベンを巡る結構複雑な人間関係が解き明かされていく過程は,なかなかにスリリング.一家破滅の要因を作ったDVでアル中の父親,この年齢の少女達の作り話等が事件に絡んでくる辺りも面白い.
ここまで無気力に生きてきたリビーが,一念発起して結局事件の真相に辿り着くのは,如何に当時の警察がでたらめな捜査だったとは言えにわかには受け容れ難いが,まあシャーリーズ・セロンの美貌に免じて良としましょう.
★★★(★5個が満点)
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番外:独断的歌舞伎感想文 通し狂言 霊験亀山鉾

日記:2017年10月某日
歌舞伎「通し狂言 霊験亀山鉾(れいげんかめやまほこ)―亀山の仇討―」を見る.0
平成29年度(第72回)文化庁芸術祭主催.
四世鶴屋南北=作,奈河彰輔=監修,国立劇場文芸研究会=補綴.四幕九場.
序幕 第一場 甲州石和宿棒鼻の場,第二場 同 石和河原仇討の場,第三場 播州明石網町機屋の場.二幕目 第一場 駿州弥勒町丹波屋の場,第二場 同 安倍川返り討の場,第三場 同 中島村入口の場,第四場 同 焼場の場.三幕目 播州明石機屋の場.大詰 勢州亀山祭敵討の場.出演:片岡仁左衛門,中村歌六,中村又五郎,中村錦之助,片岡孝太郎,中村歌昇,中村橋之助,中村梅花,片岡松之助,上村吉弥,坂東彌十郎,中村雀右衛門,片岡秀太郎.
仁左衛門の仇討ちものだが,主役の藤田水右衛門の悪役ぶりが印象的.
もとはと云えば剣術指南の採用を争う試合に敗れたことを恨んで石井右内を闇討ち,その弟兵介との仇討ち試合は兵介に毒を飲ませてだまし討ち,その養子源之丞,下僕金六は闇討ち,源之丞と恋仲の芸者おつまを斬殺,全て無慈悲にとどめまで刺す.
これで石井家側はほぼ全滅だが,大詰めでは源之丞の隠し妻とその兄・下僕の袖介が源之丞の幼児を立て,亀山藩の協力を得て本懐を遂げる.
仁左衛門が流石の貫禄で悪のヒーローを熱演,又五郎,雀右衛門,秀太郎の好演が印象に残った.見応えある通し狂言.
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2017/10/27

独断的映画感想文:神のゆらぎ

日記:2017年10月某日
映画「神のゆらぎ」を見る.1_2
2014年.監督:ポズ.
出演:グザヴィエ・ドラン(エティエンヌ),マリリン・キャストンゲ(ジュリー),ガブリエル・サブーラン(シモン),ジャン=ニコラ・ヴェロー(マキシム),アンヌ・ドルヴァル(エヴァリン),ロバン・オベール(マーティン).2_3
フランス語を話すカナダのとある街.
エティエンヌはエホバの証人の信者で白血病を病む身,婚約者の看護師ジュリーも同じく信者で,両名は信仰に基づき輸血による治療を拒否している.ある夜飛行機事故が起こり,病院に担ぎ込まれた唯一の生存者をジュリーは必死に看護する.
カジノでギャンブルにはまっているマーティンは,カジノのバーでバーテンのレイモンドにキューバのバカンスの楽しさを話す.マーティンはこの晩のうちに再度妻とキューバに出立する予定だが,アル中の妻エヴァリンは荷物を作りながら酒を飲み始める.4_2
レイモンドは地下駐車場で不倫相手のクローク係ルイーズと密会,キューバへの旅行を持ちかける.
ベネズェラから3年ぶりに帰国したシモンは,麻薬の運び屋で得た金を姪のカリーヌに渡そうと空港の乗客係である兄マキシムの家を訪れる….
群像劇であるが,群像を構成するそれぞれの人物がどの一点で交錯するのかは中盤まで判らない.
中心はエホバの証人の信者であるエティエンヌとジュリーのカップル.信仰を最後まで貫くのか,信仰を捨てて治療するのかが,神の存在をかけて鋭く問われる.5_2
布教のためルイーズの夫のもとを訪れたジュリーが,「神が全能であれば飛行機は落ちない」と言われ涙ぐむシーンが印象的.
緊張感高く映像も好ましいが,人間の思いがけぬ行動が他者の運命を変えていく過程を,神との関係で描いていく内容は,日本人としては共感しにくい.6
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独断的映画感想文:消えた声が、その名を呼ぶ

日記:2017年10月某日
映画「消えた声が、その名を呼ぶ」を見る.1
2014年.監督:ファティ・アキン.
出演:タハール・ラヒム(ナザレット・マヌギアン),シモン・アブカリアン(クリコル),マクラム・J・フーリ(オマル・ナスレディン),モーリッツ・ブライブトロイ(ピーター・エデルマン),トリーヌ・ディルホム(孤児院院長),アルシネ・カンジアン(ナカシアン夫人).2
1915年,第1次大戦中のオスマントルコ領マンデル.
アルメニア人の鍛冶職人ナザレットは,妻と双子の娘と共に貧しいながら幸せな暮らしを営んでいた.ところがある夜,突然憲兵隊に連行されたナザレットは,灼熱の砂漠での強制労働に処せられた.
翌年,従事していたアルメニア人全員が岩山に連行され,首を切られて処刑される.ナザレットを処刑した男アフメッドがためらったため,ナザレットは奇跡的に命を取り止めるが,声を失った.4
夜になって救いに来たアフメッドと共に逃避行を続けるナザレット,二人は脱走兵の一群に救われ,ナザレットは家族が送られたというラス・アルアインのキャンプに向かう.地獄の様なキャンプで出会った義姉は,家族は全て殺されたといって息絶える.3
ナザレットは石けん製造業者に拾われ,そこで働くうちに大戦の終結を迎える.或る日,チャプリンの映画会で出会った故郷の男は,彼に娘達の生存を伝えた….
トルコの過去の恥部を描いた作品だが,トルコを非難する映画ではない.監督の視線はこの虐殺事件を題材にしつつ,ナザレットの運命,彼と神の関係,娘とのドラマに注がれている.
アルメニア人はキリスト教徒だが,ナザレットは自身の過酷な運命に耐えかねて神を捨てる.ラス・アルアインのキャンプで瀕死の義姉は彼に自分を殺してくれと頼み,彼はそれを実行したのだが,この時点で彼は神を捨てたと考えられる.5
その後娘が生存していると判明しても,彼は神を許さない.娘に会うためには,如何なる悪事もためらわないナザレットを,観客は見るであろう.
ラストシーンで何も表明することなく去って行くナザレットは,逆にこの物語の結論を観客に求めているかの様だ.
人間の繰り返す,救いようのない悲惨を描くある種の寓話と言える映画.低く響き続ける音楽が印象的.
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独断的映画感想文:裸足の1500マイル

日記:2017年10月某日
映画「裸足の1500マイル」を見る.15001
2002年.監督:フィリップ・ノイス.
出演:エヴァーリン・サンピ(モリー),ローラ・モナガン(グレーシー),ティアナ・サンズベリー(デイジー),ケネス・ブラナー(ネビル),デヴィッド・ガルピリル(ムードゥ).
1931年,西オーストラリアのジガロング.15003
14歳のアボリジニの少女モリー,8歳になる妹のデイジー,従姉妹で10歳のグレーシーは,いずれも白人との混血だったため,アボリジニ保護局の指示で1500マイル離れたムーン・リバー収容所に強制的に隔離された.
子供達はここで,将来召使いや労働者になるための教育を受けるのだ.モリー達は母親に会いたい一心で嵐の迫る朝脱走し,アボリジニの追跡人ムードゥの追及をかわしながら,遙かな故郷目指して歩き続けた….
事実に基づく物語.
オーストラリアの過去の恥部を描いた作品だが,少女達の勇気ある逃走劇に感動するヒューマンドラマで,後味は良い.15002
とにかく,着の身着のままで逃げ出した少女達が,殆ど砂漠地帯が続く中の1500マイルを,9週間で歩き通した事実そのものが感動的だ.
ムードゥの追跡能力を知っているモリーが,ある朝嵐の接近を察知して,痕跡をくらまして逃走するチャンスと見極め直ちに脱走する決断力.足跡を残さぬ為に川を歩き,追跡の目を惑わすためポーチを川岸に残す才覚.砂漠で食料を見つけ生き延びる生命力.
幾たびも少女達を見失いまた追尾するムードゥだが,最終的に白人が追跡を断念した時顔に浮かんだ笑顔が,彼の本心を物語る.15004
エピローグによると,モリーは逃げ延び,砂漠でアボリジニの男性と結婚,その後娘と共に捕らえられムーン・リバーに戻されたが,再度親子で脱走し故郷に戻ったとのこと.
原作はこの時母と共に脱走した娘のドリーが後年書いたものだ.一見の価値あり.
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2017/10/16

独断的映画感想文:裁かれるは善人のみ

日記:2017年10月某日
映画「裁かれるは善人のみ」を見る.1_2
2014年.監督:アンドレイ・ズビャギンツェフ.
出演:アレクセイ・セレブリャコフ(コーリャ(ニコライ)・セルゲーエフ),エレナ・リャドワ(リリア),ヴラディミール・ヴドヴィチェンコフ(ディーマ(ドミトリー)・セレズニョフ),ロマン・マディアノフ(ヴァディム市長),セルゲイ・ポホダーエフ(ロマ),アンナ・ウコロワ(アンジェラ),アレクセイ・ロズィン(パーシャ).2_2
バレンツ海に面するロシア北方の街.
港を見渡す橋のたもとに自動車修理工コーリャの家があり,若い後妻リリアと息子ロマが暮らしている.市長はこの場所の再開発のためコーリャの家を強制収容しようとしているが,コーリャはこれに対抗し,軍隊時代の仲間で弁護士のディーマに依頼して訴訟に訴えている.3_2
訴訟には敗北したものの,ディーマは市長の不正行為の証拠を入手して賠償額を大幅に引き上げさせる.市長はこれに対し大きな圧力をコーリャ達にかけ始める….
市長の権力の闇は深く,司法・警察もその思うままだ.教会も市長と固く結びついている.コーリャやその周りの人々は,ウォッカを浴びる程飲み人生の悲哀を嘆きながらも,身も心も押しつぶされていく他無い.4_2
北極圏に近い海辺の荒涼とした自然を背景に,映画はロシアにおける権力と庶民の関係を浮き彫りにする.
如何にもロシア映画らしい匂いがひりひりとする好編,見て損はなし.
★★★☆(★5個が満点)
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独断的映画感想文:容疑者(1987)

日記:2017年9月某日
映画「容疑者」を見る.1
1987年.監督:ピーター・イエーツ.
出演シェール(キャスリーン・ライリー),デニス・クエイド(エディー・サンガー),リーアム・ニーソン(カール・ウェイン・アンダーソン),ジョン・マホーニー(ヘルムズ判事),フィリップ・ボスコ(ポール・グレイ).2
クリスマス直前のワシントン,司法局職員エリザベス・クィンの死体が湖畔で発見される.近傍に野宿していたホームレス:カールが容疑者として逮捕される.
官選弁護士とした担当となったキャスリーンは,カールがベトナム帰還兵で復員後聾唖者となったことを知り,筆談でカールの信頼を得る.
公判開始後も物証・証人が見つからず,状況証拠不利な中キャスリーンの苦戦が続くが,陪審員の一人・エディーが事件に興味を持ち,協力を申し出る.陪審員との接触が公になれば弁護士資格剥奪になりかねないキャスリーンは拒絶するが,エディが不審者の襲撃から彼女を守る事件が発生し,二人は協力することになる….3
オーソドックスな法廷ミステリ.陪審員の採否シーンから見せる映画はあまり無いのではないか.
最後の謎解きもまずまず.但し,エディーがなぜ執拗と思えるほどにキャスリーンにつきまとい協力を申し出たかの理由付けは,不充分.
結局はエディーの女性弁護士への下心以外は考えられない(自分からは肉食系に見えるエディーだが,アメリカ人ならそんなことは当たり前なのかも).その点でデニス・クエイドにはそれ程の魅力を感じなかった.4
キャスリーンを演じたシェールは,「ソニーとシェール」でデビューしたポップスシンガー,歌手としても女優としても息の長い人である.カール役のリーアム・ニーソンはこの時35歳.
余談だが,画面に映るこの年代の街にホンダの車が多いことに吃驚する.犯行現場もホンダシビックの車内.
★★★(★5個が満点)
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2017/10/01

独断的映画感想文:藁の楯 わらのたて

日記:2017年9月某日
映画「藁の楯 わらのたて」を見る.1_2
2013年.監督:三池崇史.
出演:大沢たかお(銘苅一基),松嶋菜々子(白岩篤子),岸谷五朗(奥村武),伊武雅刀(関谷賢示),永山絢斗(神箸正貴),余貴美子(由里千賀子),藤原竜也(清丸国秀),山崎努(蜷川隆興).2_2
逃亡中の少女暴行殺人の犯人・清丸に対し,被害者の祖父で経済界の重鎮・蜷川は,清丸殺害に10億円の賞金をかけることを広告し,清丸サイトを設置する.匿われていた友人に殺されかけた清丸は福岡県警に出頭,警視庁は清丸の移送に刑事奥村・神箸とSP銘苅・白岩を派遣する.
福岡県警の関谷を含め5名の移送チームが編成されるがが,警官・機動隊員の襲撃,医療関係者による殺害未遂等の事態が続き,車列で出発したチームは極秘に新幹線での移動に切り替える.その情報も清丸サイトに直ちに掲載されたが….3_2
憎むべき犯人の命を守るため命をかけるという,警察官等の闘いを描く.原作小説は未読.
設定は抜群に面白い.その後は,何時誰が襲ってくるかというスリルと,誰が如何に内通しているかというミステリで物語は進展する.
特に良かったのは清丸役の藤原竜也で,誰もがこの犯人を殺したいと思わせる様な,非人間的な殺人愉快犯を見事に演じている.4_2
一方突っ込みどころはかなりあって,例えばSPの白岩は重大なミスや判断の誤りを連発,何故この様な凡庸な刑事が特派されたのか不可解.ラストシーンの無理矢理の設定も理解不能で,中盤までの絶体絶命の状況を如何に突破するのか,という問いへの答が見事にスルーされたのには呆然とする.裏で動いていた警察官僚自身が蜷川と通じていたらしい状況も,中途半端な説明で終わる.5_2
前半に比べ後半はやや持て余した.
★★★(★5個が満点)
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独断的映画感想文:マイ・ファニー・レディ

日記:2017年9月某日
映画「マイ・ファニー・レディ」を見る.1
2014年.監督:ピーター・ボグダノヴィッチ.
出演:オーウェン・ウィルソン(アーノルド・アルバートソン),イモージェン・プーツ(イザベラ・“イジー”・パターソン),キャスリン・ハーン(デルタ・シモンズ),ウィル・フォーテ(ジョシュア・フリート(ジョシュ)),リス・エヴァンス(セス・ギルバート),ジェニファー・アニストン(ジェーン・クレアモンド),オースティン・ペンドルトン(裁判官ペンダーガスト),シビル・シェパード(イジーの母親),リチャード・ルイス(イジーの父親),ジョージ・モーフォゲン(探偵),イリアナ・ダグラス(インタビュアー),クエンティン・タランティーノ.2
群像ドタバタコメディ.
演出家アーノルドは新作を演出するN.Y.で偽名でホテルに泊まり,早速コールガールを呼ぶ.やって来たグローと一晩楽しく過ごしたアーノルドは,コールガールを止めるなら3万ドルを提供すると言い,自分の夢を追うようにと勧める.3
女優志望だったグローは感激し,早速翌日本名のイザベラで新作のオーディションに参加,ところが審査員の一人はアーノルドだった….
ここからドラマは展開,同じく審査員の女優でアーノルドの妻デルタは共演者セスと共にイザベラを支持,脚本家ジョシュも賛成してイザベラは合格となる.
一方グローの客で判事のペンドルトンは彼女を追い回すため探偵を雇うが,探偵はジョシュの実父.ジョシュの恋人のセラピスト・ジェーンはイザベラとペンドルトンのカウンセラーでもあり,しかも患者の個人情報を洗いざらい喋る人物.この全員が同じレストランで鉢合わせになる….4
物語は人気女優イザベラが記者のインタビューに自分の過去をあけすけに語るという設定で進行するが,イザベラのキャラが誠にキュートであっけらかんとし魅力的だ.群像劇の割には話が判り易く,ドタバタコメディながら小ネタも良く効いていて楽しい.
5
一時はどうなることかという展開だが勿論映画はハッピーエンド,ラストシーンはイザベラが大物監督(本人出演)と手を組んで去って行く.俳優もそれぞれに魅力的でおすすめの映画.
★★★★(★5個が満点)
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2017/09/23

独断的映画感想文:三重スパイ

日記:2017年9月某日
映画「三重スパイ」を見る.1_2
2003年.監督:エリック・ロメール.
出演:カテリーナ・ディダスカル(アルノシエ),セルジュ・レンコ(フョードル),グリゴリ・モヌコフ(ボリス),ディミトリ・ラファルスキー(ドブリンスキー将軍),アマンダ・ラングレ(ジャニーン),シリエル・クレール(マギー).2_2
1936年5月のパリ.総選挙が行われ人民戦線支持派が勝利する.そのラジオ放送に聞き入るフョードルは,ロシア反革命派の白軍将校,今はパリで亡命ロシア人協会の事務職員をしている.
ギリシャの療養所で知り合った妻アルシノエは油絵が趣味.アパートの上階に引っ越してきた共産党支持者の教員夫婦とは,政治的意見は合わないながら食事を共にしたりする.
フョードルは情報通を自認し,会長のドブリンスキー将軍と共に各国の大使館員と会ったり外国に出張したり,多忙に活動している.3_2
時代はスペイン内戦の勃発等揺れ動く一方,アルシノエは,友人からフョードルがベルリンでナチの政府関係者と会っていたと聞き,あるいはフョードル自身からロシア赤軍の士官学校に誘われていると聞き,フョードルの行動に疑問を抱く様になる….
映画は殆どが会話シーンで進行するが,その各ショットと俳優の表情の動きが良く合っていて,退屈を感じない.
少し古風なフィルムの色調と,挿入される記録映画のモノクロ画面も親和性があって,印象的だった.4_2
映画は,個人の活動を問答無用で押しつぶす,この時代の国家機関の圧倒的な冷徹さを示して終了する.その前に翻弄されるアルシノエ・フョードルを演じた両俳優が見応えあり.
★★★☆(★5個が満点)
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独断的映画感想文:マイ・ベスト・フレンド

日記:2017年9月某日
映画「マイ・ベスト・フレンド」を見る.1
2015年.監督:キャサリン・ハードウィック.
出演:トニ・コレット(ミリー),ドリュー・バリモア(ジェス),ドミニク・クーパー(キット),パディ・コンシダイン(ジェイゴ),タイソン・リッター(エース),フランシス・デ・ラ・トゥーア(ジル),ジャクリーン・ビセット(ミランダ).2
ミリーとジェスは子供の時からの大親友,初キスも初体験も互いの全てを知る間柄だ.ミリーは傍若無人,過激に暴走するタイプで,ジェスはその後始末や調整に奔走するタイプ.
それぞれ結婚しミリーは2人の子供に恵まれる日々.ミリーは或る日乳がんが発見され,ジェスの協力も得て療養生活に入るが,一方ジェスは不妊治療の甲斐あってようやく妊娠に成功する.ジェスはミリーにそれを打ち明けそびれているうちに,ミリーの病状は進行する….3
対照的な二人の女性の友情物語.トニ・コレットもドリュー・バリモアも好きな女優で,二人の競演が見応えあり.
生と死を分かつドラマだが,イギリス映画らしいユーモアもちりばめられ,最後まで楽しめた.特にジェスの出産にミリーが病をおして駆けつけるシーンは感銘的.4
ミリーの肉食系の母親を怪演するジャクリーン・ビセットも印象に残った.見て損はなし.
★★★☆(★5個が満点)5
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