2016/09/22

独断的映画感想文:天空の蜂

日記:2016年9月某日
映画「天空の蜂」を見る.
1_2
2015年.監督:堤幸彦.
出演:江口洋介(湯原),本木雅弘(三島),仲間由紀恵(赤嶺),綾野剛(雑賀),柄本明(室伏),國村隼(中塚),石橋蓮司(筒井),竹中直人(芦田),向井理(高彦(成人)),佐藤二朗(今枝),光石研(佐久間),落合モトキ(関根),やべきょうすけ(根上),手塚とおる(高坂),永瀬匡(上条),石橋けい(篤子).
東野圭吾の原作を,製作委員会方式で映画化.
国産最大の軍用ヘリコプター・ビッグBの完成引き渡しの日,ビッグBは設計開発者・湯原の息子・高彦を乗せたまま無線操縦により奪い取られた.3_2
ビッグBは敦賀の高速増殖炉「新陽」上空に至り,そこでホバリングする.犯人から脅迫状が届き,8時間以内に全国の原発のタービン棟を破壊しなければ,爆薬のしかけてあるビッグBをそのまま新陽に墜落させると言ってくる.
ビッグB開発の湯原,同じ企業の新陽担当の三島らは,所長の中塚,自衛隊・警察・消防関係者等と共に新陽に集結して対応を取るが….
発想は抜群で,巨大無人ヘリと高速増殖炉を使った政府への脅迫という展開は意表を突くものである.湯原高彦を救出する為の犯人とのやり取りや実際の救出活動は,なかなかに手に汗握る物語となった.
しかしプロットはその後が穴だらけで隙だらけ.テンポも悪いし家族を巡る物語の回想シーンもまだるっこしい.
終盤の湯原と三島のアクションシーンなど何故必要なのか理解できない.2_2
最後の作戦もまさかと思うようなちゃちい内容で,湯原が操縦リモコンをヘリコプター機上で振りかざすシーンにはどん引きした.
俳優陣も本木雅弘の好演に比べ,江口洋介やその妻役の女優は今ひとつ.せっかくの題材ながらB級映画としか思えない手応えとなった.
専門領域のプロをもっと加えて脚本に緻密さがあったらと悔やまれる.
★★(★5個が満点)
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独断的映画感想文:ホットロード

日記:2016年8月某日
映画「ホットロード」を見る.1
2014年.監督:三木孝浩.
出演:能年玲奈(宮市和希),登坂広臣(春山洋志),木村佳乃(ママ),小澤征悦(鈴木),鈴木亮平(玉見トオル),太田莉菜(宏子),竹富聖花(えり),落合モトキ(リチャード),山田裕貴(金パ),鷲尾真知子(おばさま先生),利重剛(高津),松田美由紀(春山の母).
これもコミック原作・製作委員会方式の映画.
父を早くに亡くし,母親は初恋の男性との不倫関係にある中学生・和希.
転校生・えりに誘われて彼女の先輩・宏子に会いに行き,その彼氏・トオルが率いる暴走族ナイツの切り込み隊長・春山と出会う.2
春山も複雑な家庭環境の少年,お互いに突っ張り合う二人の出会いは最悪だったが,母親との関係が悪くなるなか和希は春山のバイクの後ろに乗るようになり,次第に二人の心は近づいていく….
能年玲奈の透明な美しさと硬質な思春期の少女の心情,登坂広臣の寡黙な突っ張り少年の意地が,この映画の魅力.二人の不器用な接近が胸に迫る.
コミック原作らしいファンタジーの世界の物語で,いろいろと細かい通常世界の諸事情は全て省かれているが,二人の演技が十分に魅力的でこの世界を満たす力がある.3
パステル調のカメラの色調もこの映画の世界に相応しい.
見て損はなし.
★★★☆(★5個が満点)
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2016/09/12

独断的映画感想文:娚(おとこ)の一生

日記:2016年8月某日
映画「娚(おとこ)の一生」を見る.3
2015年.監督:廣木隆一.
出演:榮倉奈々(堂薗つぐみ),豊川悦司(海江田醇),安藤サクラ(秋本岬),前野朋哉(園田哲志),落合モトキ(友生貴広),根岸季衣(今日子),濱田マリ(小夜子),徳井優(民夫),木野花(坂田佳代),美波(女性秘書),岩佐真悠子(富岡春美),坂口健太郎(信夫),向井理(中川俊夫).
幼児のとき過ごした田舎の祖母の家に越してきた,堂薗ツグミ.彼女は東京の一流IT企業での仕事に疲れ,また不倫の恋愛に行き詰まっていた.
2
ところが草木染めの工房を営んでいた祖母はあっけなく死去する.葬儀が終わった翌朝,ツグミは離れに見知らぬ男がいるのに気付く.
男は大学教授・海江田醇と名乗り,祖母から離れを好きに使って良いと言われていたと言う.以来住み着いた海江田とツグミの奇妙な共同生活が始まるが….
コミック原作の映画化だが,豊川悦司と榮倉奈々の魅力で最後まで面白く見た.
海江田醇は50代の独身,癖は強いが一本筋の通った壮年を,豊川悦司が過不足無く演じる.榮倉奈々のツグミは,不倫体験もある女性にはちょっと見えないが,寡黙な役柄を魅力的に表現.
この二人が当初ぎごちなくつき合いながら,次第に恋に落ちていく様が面白い.4
突っ込みたいところは幾つかあるが(一つの問題点は冒頭登場するツグミの祖母がどう見ても若過ぎることだ),見て損はないラブロマンス.
映画のプロローグとラストシーンの対比も面白い.但し題名のつけ方には若干違和感あり.
榮倉奈々の肢体は,伸びやかな中にアクションもこなす体格の良さがあって,魅力的.
★★★☆(★5個が満点)
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2016/09/04

独断的映画感想文:新宿スワン

日記:2016年8月某日
映画「新宿スワン」を見る.1
2015年.監督:園子温.
出演:綾野剛(白鳥龍彦),山田孝之(南秀吉),沢尻エリカ(アゲハ),伊勢谷友介(真虎),金子ノブアキ(葉山豊),深水元基(関玄介),村上淳(時正),久保田悠来(洋介),真野恵里菜(栄子),丸高愛美(梨子),安田顕(松方),山田優(涼子),豊原功補(山城神),吉田鋼太郎(天野修善).
4
コミック原作の製作委員会方式による映画.園子温監督のテイストは殆どありません.
新宿歌舞伎町の,風俗店・キャバクラ等に女性を紹介するスカウトの世界を描く.
無一文で歌舞伎町に流れてきた龍彦は,チンピラとの喧嘩でぼこぼこにされていたところをスカウトの真虎に救われ,その所属会社「バースト」でスカウト修行を始める.3
競合する「ハーレム」は裏で薬を扱っている秀吉の力で攻勢をかけてきたが,真虎の力でバーストはハーレムを吸収合併する.
秀吉はなおのし上がろうとの野望を抱くが,秀吉は龍彦との過去の確執を抱えていた….
筋は如何にもコミックらしい荒唐無稽さだが,綾野剛・山田孝之の演技が見応えあり.2
特に綾野剛はこのコミック系のプロットを完全に我が物にして,主人公の人物像を魅力的に演じている.こういうスカウトの世界もひょっとしたらあるかも知れないと思わせる,両名の演技が素敵だった.
沢尻エリカ・山田優も魅力的だった.
★★★☆(★5個が満点)
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2016/08/26

番外:独断的歌舞伎感想文 八月納涼歌舞伎 膝栗毛/紅かん/土蜘/廓話

日記:2016年8月某日
歌舞伎座で八月納涼歌舞伎2部・3部を見る.Kabukiza_201608fffl_bb6147f51c7243f
第二部:十返舎一九 原作より.杉原邦生 構成,戸部和久 脚本,市川猿之助 演出.「一、東海道中膝栗毛(とうかいどうちゅうひざくりげ) 弥次郎兵衛/喜多八 宙乗り相勤め申し候」.出演:弥次郎兵衛(染五郎),劇場支配人出飛人/奉行大岡伊勢守忠相(獅童),盗賊白井髭左衛門(市川右近),天照大神(笑也),十六夜(壱太郎),茶屋女お稲実は三ツ大お新(新悟),五日月屋番頭藤六(廣太郎),梵太郎(金太郎),政之助(團子),読売屋文春(弘太郎),老船頭寿吉(寿猿),家主七郎兵衛(錦吾),役者/女札親師毬夜(春猿),石油王夫人麗紅花(笑三郎),役者/用人山田重右衛門(猿弥),闇金利太郎(亀蔵),アラブの石油王亜剌比亜太(門之助),五日月屋女房お綺羅(高麗蔵),女房お米(竹三郎),喜多八(猿之助).「二、艶紅曙接拙(いろもみじつぎきのふつつか) 紅かん」.出演:紅翫(橋之助),朝顔売阿曽吉(勘九郎),団扇売お静(七之助),蝶々売留吉(巳之助),町娘お梅(児太郎),大工駒三(国生),角兵衛神吉(宗生),角兵衛清吉(宜生),庄屋銀兵衛(彌十郎),虫売りおすず(扇雀).第三部:河竹黙阿弥 作.「一、新古演劇十種の内 土蜘(つちぐも)」.出演:叡山の僧智籌実は土蜘の精(橋之助),平井左衛門尉保昌(獅童),源頼光(七之助),巫女榊(児太郎),渡辺源次綱(国生),坂田主馬之丞公時(宗生),碓井靭負之丞貞光(宜生),太刀持音若(團子),石神実は小姓四郎吾(波野哲之),番卒藤内(巳之助),番卒次郎(勘九郎),番卒太郎(猿之助),侍女胡蝶(扇雀).くまざわあかね 原作,小佐田定雄 脚本,今井豊茂 演出.新作歌舞伎「二、廓噺山名屋浦里(くるわばなしやまなやうらざと)」.出演:酒井宗十郎(勘九郎),花魁浦里(七之助),牛太郎の友蔵(駿河太郎),留守居役田中(亀蔵),留守居役秋山(彌十郎),山名屋平兵衛(扇雀).
膝栗毛は肩のこらない爆笑喜劇.冒頭は黒衣後見をやって大失敗をこれでもかと繰り返す劇中劇のシーンから.
猿之助・染五郎のコンビはなかなか良い(特に最後の二人宙乗りは楽しかった)が,染五郎はいまいち喜多八という感じがしない育ちの良さが出てしまう.
金太郎・團子の主従コンビは,團子(12才)が見事な舞台度胸で金太郎(11才)をしのぐ活躍.
紅かんは橋之助のやわらかい踊りで楽しめた.芝翫の孫世代と巳之助が勢揃い,いずれも踊りは達者だが,勘九郎が立ち姿美しく見応えあり.
土蜘はさすがに橋之助が迫力もあって素晴らしい.ここでも團子が見事な太刀持ち.番卒が猿之助・勘九郎・巳之助と豪華な踊り手で楽しめたが,人気をさらったのは石神の波野哲之君3才3ヶ月.台詞も入っているし見えも切るし,この次男恐るべし.
最後の廓噺は笑福亭鶴瓶の新作落語の劇化で,話がまとまっていて人情話らしい中段も面白いが,泣かせるところまでは今一歩.勘九郎・七之助が良かった.
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2016/08/21

独断的映画感想文:シン・ゴジラ

日記:2016年8月某日
映画「シン・ゴジラ」を見る.6
2016年.総監督:庵野秀明,監督:樋口真嗣,准監督:尾上克郎,特技監督:樋口真嗣.
出演:長谷川博己,竹野内豊,石原さとみ,市川実日子,柄本明,大杉漣,片桐はいり,國村隼,高良健吾,嶋田久作,塚本晋也,津田寛治,鶴見辰吾,ピエール瀧,平泉成,古田新太,前田敦子,松尾諭,松尾スズキ,三浦貴大,光石研,モロ師岡,余貴美子,渡辺哲その他大勢.
東京湾アクアラインの崩落浸水事故として始まったゴジラの襲来,ゴジラは幼生のまま蒲田に上陸し甚大な被害を与えるが,上陸後成体に変容し一旦東京湾に姿を消す.4
政府は対応策を協議し,自衛隊に出動を命じ作戦計画を立てるよう指示する.一方各省庁連携の対策班はゴジラのエネルギー源が核反応であることを掴み,ゴジラを凍結する為の方策を立てる.
ゴジラは更に巨大に成長し,相模湾に登場,鎌倉から上陸して真っ直ぐに首都近郊に迫る….
「シン・ゴジラ」は様々な意味で今見るべき映画だ.
一つは戦後71年アメリカの支配下にあり続け,3.11から5年未だに原発事故のコントロールは愚かその実態さえ掴めずにいる今の日本は,本当にこのままこの状態を続けていくのかという問題意識に対し,この映画が激しく想像力を刺激するからだ.2
また,原子爆弾,福島原発事故と放射線被曝を繰り返し受けてきた日本からシン・ゴジラを見る時,ゴジラは我々でもあるのだという直感を,この映画から受け止めざるを得ないからだ.
その意味で,シン・ゴジラは日本のゴジラのアイデンティティを確立した映画だと,見ることが出来る.
人間ドラマを極力削いで,荒ぶる破壊神ゴジラとこの国の組織力との死力を尽くした争闘を描ききった骨太の内容は,誠に素晴らしい.総勢328人のキャストに加え,各省庁,自衛隊,企業,自治体の協力を取り付けて完成させた監督陣の力も評価されるべきだ.ゴジラの放射線ビームによる破壊シーンの美しさ等,映像の魅力も印象的だ.
1
何より,ゴジラ第1作のテーマを復活させた音楽が素晴らしい.
一つ注文をつけるとしたら,登場人物たちが余りに早口なので(官僚というものはこういう早口で喋るものなのだそうだ),日本語のテロップをつけて欲しかったというあたり.
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2016/08/18

独断的映画感想文:悼む人

日記:2016年8月某日
映画「悼む人」を見る.1
2015年.監督:堤幸彦.
出演:高良健吾(坂築静人),石田ゆり子(奈義倖世),井浦新(甲水朔也),貫地谷しほり(坂築美汐),山本裕典(福埜怜司),麻生祐未(沼田響子),山崎一(沼田雄吉),戸田恵子(比田雅恵),秋山菜津子(尾国理々子),平田満(坂築鷹彦),椎名桔平(蒔野抗太郎),大竹しのぶ(坂築巡子).
天童荒太のベストセラー小説の映画化.
坂築静人は仕事を辞め,不慮の死を遂げた人々をその現場で「悼む」為の旅を一人続けている.3
静人と行き会ったゴシップライターの蒔野抗太郎は,その行動に不審を抱き彼の留守宅を訪ねる.坂築家では静人の母・巡子が末期癌の床にあり,妹の美汐が父のいない子を出産しようとしていた.
一方,静人はその死を悼んだ甲水朔也を殺害した犯人・奈義倖世と旅を共にすることになる….
原作では何とか飲み込めた異様な設定が,この映画ではどうしても腑に落ちない.
大竹しのぶが熱演する坂築家での物語はそれでも納得できたが,なぜ静人が「悼む人」になったのか,なぜ奈義倖世は静人と同道しまた別れていくのか,理解できず受け入れることが出来ない.2
他にも,静人は母の危機を知らされながら,なぜ直接自宅に電話をかけることさえしないのか,なぜ奈義倖世が別れを告げた時に引き留めることを一切しないのか,疑問点があり過ぎて物語が成り立たない.
自分とは相性の合わない映画と諦めるしか無いのかも知れない.
★☆(★5個が満点)
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2016/08/08

独断的映画感想文:マッドマックス 怒りのデス・ロード

日記:2016年7月31日
映画「マッドマックス 怒りのデス・ロード」を見る.1
2015年.監督:ジョージ・ミラー.
出演:トム・ハーディ(Max Rockatansky),シャーリーズ・セロン(Imperator Furiosa),ニコラス・ホルト(Nux),ロージー・ハンティントン=ホワイトリー(Splendid),ゾーイ・クラヴィッツ(Toast),ライリー・キーオ(Capable),ネイサン・ジョーンズ(Rictus Erectus),メーガン・ゲイル(Valkyrie),ヒュー・キース・バーン(Immortan Joe),ジョシュ・ヘルマン(Slit).2
汚染され水と石油が枯渇した未来の地球.砂漠を放浪していたMaxは,水源地を確保しそこに築いた砦の絶対的支配権を持つImmortan Joeの部隊に輸血要員として捕獲される.
水と石油の交換に出撃したFuriosaのウォータンクが,指揮を離れ脱走したことから,Immortan Joeは部隊を引き連れ後を追う.Maxは血を抜かれながら部隊に同行する羽目になる.3
ウォータンクは巧みな戦略でImmortan Joe の部隊を置き去りにし,唯一後を追ったMaxが拘束された車輌の兵士NuxとMaxは,結局Furiosaと行動を共にすることになる.FuriosaはImmortan Joeの5人の妻たちを連れ,自らが生まれた「緑の土地」を目指していた….
MadMaxが帰ってきた!!4
観客は全編を貫く強烈な文句なしのカーアクションを,存分に楽しむだろう.
どこまでも汚染し尽くされ一切の希望がない世界で,MaxとFuriosaの命がけで協力するが孤立を怖れない関係には胸を打たれる.
この映画は何といっても息もつかせぬカーアクションが観客を鷲掴みにして離さないが(特にウォータンクの存在感は圧倒的で,この巨大車輌に,Immortan Joeの軽車両部隊が襲いかかるシーンは,戦艦大和の最期を想起させる),音楽の素晴らしさも特筆すべきであろう.アクションシーンのテンポ良いバックミュージックに加え,静かなシーンでの叙情的な音楽は誠に魅力的だ.5
俳優陣もシャーリーズ・セロンを筆頭に素晴らしい演技.
映画の魅力を満載した好編,3Dで劇場鑑賞がベストだろうが,DVDでも充分に楽しめる.
★★★★(★5個が満点)
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2016/08/07

独断的映画感想文:ソロモンの偽証 後篇・裁判

日記:2016年7月某日
映画「ソロモンの偽証 後篇・裁判」を見る.0
2015年.監督:成島出.
出演:藤野涼子(藤野涼子),板垣瑞生(神原和彦),石井杏奈(三宅樹理),清水尋也(大出俊次),富田望生(浅井松子),前田航基(野田健一),望月歩(柏木卓也),佐々木蔵之介(藤野剛),夏川結衣(藤野邦子),永作博美(三宅未来),黒木華(森内恵美子),田畑智子(佐々木礼子),松重豊(北尾),小日向文世(津崎正男),尾野真千子(中原涼子).
2
前半・事件の後を受けた解決編.
前年のクリスマスイブに起きた城東第三中学校旧2年A組の柏木卓也転落死事件の真相を探るべく,学校内裁判開催を決めた藤野涼子等は,判事,検事,弁護人等の分担を決めると共に,被告に擬せられた大出俊次の出廷,そのアリバイを証言する証人の確保等の難問を次々にクリアして,遂に裁判の当日を迎える….
プロットはよくできていて,柏木卓也の死の真相を何故警察が掴めなかったのか,中学生が何故その真相に迫ることが出来たのかという点も,筋の通った解明が提示される.3
柏木卓也が何故死ななければならなかったのかという点は,いささか弱いという印象もある.しかし,人の見過ごす矛盾点を見逃さず解明につなげていく藤野涼子の真摯な態度や,そのアリバイを証明した一方で大出俊次の乱暴の限りを糾弾していく神原和彦の厳しい態度は,見応えあり.4
脇役の大人たちも,一卵性親子を娘に強いつつ,モンスターペアレントとして登場する三宅未来(永作博美)等,類型的ながらありがちな大人たちが適切な配置で好演,見て損はなし.
★★★★(★5個が満点)
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番外:独断的歌舞伎感想文 七月大歌舞伎 昼の部 柳澤騒動/流星

日記:2016年7月某日
「七月大歌舞伎 昼の部」を見る.Img_2951
宇野信夫 作・演出.織田紘二 補綴・演出.通し狂言「柳影澤蛍火(やなぎかげさわのほたるび) 柳澤騒動 本所菊川町浪宅より駒込六義園庭園まで」.出演:柳澤吉保(海老蔵),護持院隆光(猿之助),茶道千阿弥(市川右近),犬役人久保勘兵衛(男女蔵),成瀬金吾(亀三郎),篠原数馬(九團次),おさめの方(尾上右近),侍医順庵(寿猿),お伝の方(笑三郎),曽根権太夫(猿弥),奥方松江(笑也),犬役人酒井万蔵(市蔵),柳澤弥左衛門(家橘),徳川綱吉(中車),桂昌院(東蔵).「流星(りゅうせい) 市川猿之助宙乗り相勤め申し候」.出演:流星(猿之助),織姫(尾上右近),牽牛(巳之助).
柳澤騒動は,素浪人から美貌と色仕掛けで出世を果たした吉保の,栄華と破滅の物語.あんまりこういう構成の話は好きではない.
海老蔵もこれで主役張ってどうなのよという感じがしないでもない.
おさめ役の尾上右近が,美しく耐える女・でも吉保を愛し続ける女を演じて見応えあり.この人立ち姿もきれいなのだから,じっと立って動かない芝居が決まればもっと素敵だと思う.
夜の部でも好調だった市川右近と猿弥が,昼の部でも良かった.物語自体はやや退屈で,時々寝てしまいました.
流星は大半が猿之助の一人踊り.
牽牛・織女のせっかくの年に一度の逢瀬に,ご注進ご注進と飛び込んでくるが,話の中身は雷一家の夫婦げんかの実況中継という,他愛もないもの.
それを面を替え所作を変えて,雷夫婦と婆さん雷,坊や雷を踊り分ける.本当にこの人の才能は凄い.
巳之助と右近の牽牛・織女は冒頭の5分ほどを踊っただけだが,まあこの若い2人の踊りが見られて良かった.
最後の猿之助の宙乗りでご機嫌良く幕引き.
猿之助は,この長い踊りを,宙乗り用のハーネスをつけたまま踊ったようである.それも凄い.
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2016/08/04

独断的映画感想文:ソロモンの偽証 前篇・事件

日記:2016年7月某日
映画「ソロモンの偽証 前篇・事件」を見る.0
2015年.監督:成島出.
出演:藤野涼子(藤野涼子),板垣瑞生(神原和彦),石井杏奈(三宅樹理),清水尋也(大出俊次),富田望生(浅井松子),前田航基(野田健一),望月歩(柏木卓也),西畑澪花(倉田まり子),若林時英(向坂行夫),西村成忠(井上康夫),加藤幹夫(橋田祐太郎),石川新太(井口充),佐々木蔵之介(藤野剛),夏川結衣(藤野邦子),永作博美(三宅未来),黒木華(森内恵美子),田畑智子(佐々木礼子),松重豊(北尾),小日向文世(津崎正男),尾野真千子(中原涼子).
1990年12月25日の朝,うさぎの飼育係として早くに登校した城東第三中学校2年A組の藤野涼子・野田健一は,雪に埋もれた同級生・柏木卓也の死体を発見する.2
警察の調べで自殺と発表があるが,暫くして「告発状」が担任の森内恵美子,校長の津崎正男,そして学級委員で刑事を父親に持つ藤野涼子の元に届いた.「告発状」は柏木の死は不良グループの大出等3名による他殺だと指摘したものだった.4
学校・警察はこの告発状の内容を伏せるが,その事実は一部マスコミに洩れ,校長と担任の退職,告発状に関わったと非難された同級生浅井松子の死という結果となる.藤野涼子等はクラスに計り,真実を明らかにする為の裁判を校内で開くことを目指し,活動を開始する….
緊張感高く,複雑に入り組んだ事件の概要を明快に描き出す「事件編」として,見応えあり.3
何より大人たちにベテラン俳優を重厚に配置し,一方中学生にはオーディションで募集した若い俳優たちを充てた,キャスティングの布陣が素晴らしい.その結果今のこの国で起こっている現象への生々しい問題意識が,画面に適切に表現されたと思われる.
一刻も早く「後編・裁判編」を見たくなる充実の前編,お勧めである.
★★★★(★5個が満点)
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2016/08/01

独断的映画感想文:あん

日記:2016年7月某日
映画「あん」を見る.6
2015年.監督:河瀨直美.
出演:樹木希林(徳江),永瀬正敏(千太郎),市原悦子(桂子),内田伽羅(ワカナ),浅田美代子(どら春のオーナー),水野美紀(ワカナの母).
どら焼きの店の店長をしている千太郎は,バイト募集の張り紙を見て応募してきた徳江が70を超えていると知って困惑する.
しかし徳江の作ったあんを味わって吃驚,徳江を雇ってあん作りを任せ,店は大繁盛する.
3
しかしオーナーが徳江はハンセン病患者らしいから首にするよう千太郎に迫る(演じる浅田美代子が憎たらしい.浅田美代子もうまくなったということか).
千太郎は抵抗するが噂が広まり,客足はばったり途絶えた.徳江は事情を察して退職,千太郎は徳江を守れなかったことに深く傷つく….
河瀬監督がドリアン助川の原作を得て撮った好編.5
辛酸をなめた徳江の今では天使の様な人柄に,訳ありの人生を送ってきた千太郎と店の常連で母子家庭の中学生・ワカナが,人生を取り戻す物語である.
徳江を演じる樹木希林の,自在な境地が誠に素晴らしい.その孫でワカナを演じている内田伽羅は,その存在感に圧倒される.
何より,千太郎を演じる永瀬正敏が印象的だ.冒頭の落ち着いてはいるが鬱々とした所作に対する,クライマックスの晴れ晴れとした動作はどうだろう.客観的状況は更に悪化しているのに,徳江に依ってこの人の魂が救われたのだということが,観客の胸に疑いなく刻み込まれる.4
人生にとって一番重要なことは希望だ.その希望はこの様に与えられるのだ.映画の主張はここにある.
河瀬監督らしい樹々や風景の画面が好ましい.映画らしい映画,お勧めです.
★★★★(★5個が満点)
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2016/07/31

番外:独断的歌舞伎感想文 七月大歌舞伎 夜の部 荒川の佐吉(あらかわのさきち)/鎌髭(かまひげ)景清(かげきよ)

日記:2016年7月某日
「七月大歌舞伎 夜の部」を見る.Kabukiza_201607fffl_3a25bb3dc1e4b69
「一、荒川の佐吉(あらかわのさきち)」.出演:荒川の佐吉(猿之助),相模屋政五郎(中車),極楽徳兵衛(男女蔵),大工辰五郎(巳之助),お八重(米吉),絵馬屋重作(桂三),あごの権六(由次郎),鍾馗の仁兵衛(猿弥),丸総女房お新(笑也),隅田の清五郎(門之助),成川郷右衛門(海老蔵).
川崎哲男 脚本,松岡 亮 脚本,藤間勘十郎 演出・振付 壽三升景清.「二、歌舞伎十八番の内 鎌髭(かまひげ) 歌舞伎十八番の内 景清(かげきよ)」.出演:〈鎌髭〉 修行者快鉄実は悪七兵衛景清(海老蔵),猪熊入道(市川右近),下男太郎作実は梶原源太(亀三郎),下男次郎作実は尾形次郎(九團次),下男三郎吾実は愛甲三郎(巳之助),下女お梅実は梶原妹白梅(尾上右近),下女お菊実は尾形妹園菊(米吉),下男四郎丸実は三浦四郎丸(鷹之資),うるおい有右衛門(市蔵),かわうそお蓮(萬次郎),鍛冶屋四郎兵衛実は三保谷四郎(左團次).〈景清〉 悪七兵衛景清(海老蔵),梶原源太(亀三郎),尾形次郎(九團次),愛甲三郎(巳之助),三浦四郎丸(鷹之資),阿古屋(笑三郎),岩永左衛門(猿弥),花菱屋女房おさく(右之助),秩父庄司重忠(猿之助).
荒川の佐吉は以前仁左衛門で見た.
今回の猿之助の演技は,口跡良くテンポ良く,ここというところでの迫力は胸を打つ.猿之助という役者が,台詞術でも聞かせる素晴らしい舞台.
真山青果の古くさい説教調の台詞には閉口するが,それを吹き飛ばす猿之助の出来だった.
巳之助の辰五郎,猿弥の仁兵衛,門之助の清五郎が役に合って良かった.
鎌髭・景清は荒事の定番,まあ海老蔵が活躍すればそれで良い.
今回は成田屋以外の高島屋・澤瀉屋がよく頑張って舞台を盛り上げた.右近(市川)の猪熊入道,右之助のおさく,猿弥の岩永等が活躍.
後の大エビの出現にはビックリ仰天.大変楽しい舞台だった.
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番外:独断的歌舞伎感想文 卅三間堂棟由来(さんじゅうさんげんどうむなぎのゆらい)

日記:2016年7月某日
歌舞伎「若竹笛躬・中邑阿契=作・山田庄一=補綴 卅三間堂棟由来(さんじゅうさんげんどうむなぎのゆらい)二幕三場」を見る.H2807sanjyusangendoumunaginoyuraiho
国立劇場美術係=美術.序幕:紀州熊野山中鷹狩の場.二幕目:横曽根平太郎住家の場,木遣音頭の場.
出演:中村魁春,坂東秀調,中村歌女之丞,市村橘太郎,中村松江,坂東彌十郎.
鷹狩りに来た殿様の鷹が,柳の老木の梢に足ヒモが巻き付き立ち往生.殿様は柳の木を切り倒せと命じるが,老母と共に通りかかった平太が申し出て,見事矢で足ヒモを射切り,鷹を助ける.
殿様は面目を潰され後から家来に平太を討たせようとするが,柳の精の助けもあって散々に打ち破られ退散.するとお柳という美女が現れ平太親子をもてなし,平太はこのお柳と結婚してこの地に留まることになる.
このお柳は柳の精で,命を助けられたお礼に平太に仕えるのだが,緑丸という子まで出来て5年,白河院の命にて遂に柳生の木が伐られることになる….
異類婚礼譚の物語でプロットはまずまず,娘時代はともかくとして,平太の妻となったお柳の平太や子供への口説きは,魁春のいちばん良い所が出て味わい深い.
只この芝居には,お柳が正体を現してから衣装の引き抜きをしたり壁の田楽に消えたり,壁抜けをして現れたりというケレンが幾つかあるのだが,いずれも下手くそで興醒め,せっかくの良い題材なのに勿体ない.この点が残念なお芝居だった.
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2016/07/25

独断的映画感想文:ワイルド・スピード SKY MISSION

日記:2016年7月某日
映画「ワイルド・スピード SKY MISSION」を見る.1
2015年.監督:ジェームズ・ワン.
出演:ヴィン・ディーゼル(Dominic),ポール・ウォーカー(Brian),ドウェイン・ジョンソン(Hobbs),ミシェル・ロドリゲス(Letty),ジョーダナ・ブリュースター(Mia),タイリース・ギブソン(Roman),クリス・リュダクリス・ブリッジス(Tej),エルサ・パタキー(Elena),ルーカス・ブラック(Sean),ジェイソン・ステイサム(Deckard Shaw),ジャイモン・フンス―(Slim),ナタリー・エマニュエル(Ramsey),カート・ラッセル(Mr.Nobody).6
本作の撮影途中で事故死し,これが遺作となったポール・ウォーカー最後の作品.
前作で敢えなく彼等に敗れ去ったオーウェン・ショーの兄Deckard Shawが登場,まずHobbsを襲い病院送りにした後,東京では仲間のハンを殺害,Brianの家には爆弾を送りつけ家屋は木っ端微塵となる.
Shawを探そうというチームの前に政府組織のMr.Nobodyが現れ,テロリストに拉致されたRamseyというハッカーを奪還することを条件に協力を申し出る.
5
Ramseyは世界中のIT情報を通じて瞬時に人を探し出す「神の眼」というソフトを開発していた.Ramseyを奪還し「神の眼」を使えば瞬時にShawを見つけ出せる.Dominicは承知し,チームはRamsey奪還作戦を開始する….
敵役にジェイソン・ステイサムを迎え,息もつかせぬ充実したアクション映画に仕上がった本作,前作から復帰したが記憶の戻らないLettyとDominicの絡みも上出来で,筋書きの面白さも充分.2
如何にも怪しい政府筋のMr.Nobodyが意外に良い奴で,カート・ラッセルの好感度上昇.見て損はない好編.ポール・ウォーカーの夭逝が惜しまれる.
★★★★(★5個が満点)
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