独断的映画感想文:すずめの戸締まり
日記:2024年9月某日
映画「すずめの戸締まり」を見る.
2022年.監督・脚本・原作:新海誠.
出演(声):原菜乃華(岩戸鈴芽),松村北斗(SixTONES)(宗像草太),深津絵里(岩戸環),松本白鸚(宗像羊朗),染谷将太(岡部稔),伊藤沙莉(二ノ宮ルミ),神木隆之介(芹澤朋也).
宮崎の女子高生岩戸鈴芽はある朝の登校途中,すれちがった青年から「この辺に廃墟はあるか」と聞かれたことが気になり,引き返して昔温泉街だった廃墟に行ってみる.そこで不思議な扉を見つけた鈴芽,扉の向こうには美しい花野が見えるが,身体は扉を通過するだけ.付近に落ちていた神像のような石を拾うと,その瞬間石は猫に変身して姿を消した.
高校に戻ると廃墟からは不思議な渦が立ち昇っているのが見える.彼女にしか見えないその現象に驚いた鈴芽が再度廃墟に行くと,先ほどの青年・草太が扉からあふれ出る渦を押さえ扉を閉めようと奮闘していた.協力して扉を何とか戸締りした二人,怪我をした草太の手当てのため鈴芽の家に行くと姿を消した猫・ダイジンが現れ,草太は鈴芽が幼いとき使っていた脚が1本欠けた木の椅子に姿を変えられてしまう.二人の猫を追う旅が始まる….
最初の30分足らずでこのような無茶苦茶な設定と展開となり始まる長編アニメ.草太は日本各地にある「扉」から渦が抜けだして災いが起きないように戸締りをして回っている,「閉じ師」を家業としている青年.ダイジンを追って愛媛,神戸と行くたびに扉から渦があふれ出し,二人は奮闘して何とか扉を戸締りし続けるが,東京の渦との戦いが二人の運命をかけた戦いとなる.
鈴芽は母子家庭で育ち,大震災で母は行方不明となり以降叔母の環に宮崎で育てられた.しかし幼い頃廃墟となった自宅近くの扉を抜けて花野にさ迷い出,失くした自分の椅子を誰かから受け取った記憶がある.その扉をもう一度見つけ,自分の運命を切り開こうとする鈴芽の最後の旅.
アニメらしい無茶苦茶な設定とあれよあれよの展開,ついていくのは大変だが,物語の怒涛の進展につい引きずられて見てしまった.渦の本態も,何故花野から渦のようなものが溢れだしてくるのかも,猫の位置づけも,全てわからないままだが,鈴芽の真情と恋心に全て吹き飛ばされてしまうという映画.アニメの美しさは折紙つき.
★★★☆(★5個が満点).
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