独断的映画感想文:ルノワール
日記:2026年6月30日
映画「ルノワール」を見る.
2025年.日本=フランス=シンガポール=フィリピン.監督・脚本:早川千絵.
出演:鈴木唯(沖田フキ),石田ひかり(沖田詩子),中島歩(御前崎透),河合優実(北久里子),坂東龍汰(濱野薫),リリー・フランキー(沖田圭司).
映画の冒頭,世界中の子供が泣いている映像が次々に現れるビデオを見ているフキ.見終わるとそのビデオを紙袋に入れて,マンションのゴミ捨て場に置きに行く.その時黒いシャツを着た男に声を掛けられるが,躱して部屋に逃げ帰る.ところがその夜,フキは部屋で黒いシャツの男に襲われ,殺されてしまう.それを知らせるニュース映像,葬式の両親の沈痛な面持ち.と思ったら教室で作文を読んでいる小5のフキ,「夢で良かったです.終わり」と読み終えて若干得意げな顔をする….
フキは勝気でしっかりした女の子,作文も得意だが内容は若干夢見がちである.今は自身の超能力の開発に夢中だ.父親は会社員だが末期がんで入退院を繰り返している.母親も会社員で部下も持っているが,最近部下にパワハラを申し立てられ,研修を受けさせられている.家でひとり留守番をすることの多いフキ,病院に行って父親と遊んだり,英会話で一緒の子の家に行ったり,マンションで出会った北久理子の家に行って彼女を催眠術にかけたり(彼女は最近夫を亡くした.その夫は世界中の子供が泣いている映像が次々に現れるビデオを見ていた,と久理子は言う),家に来た伝言ダイヤルのチラシの指示に従って自称大学生と電話で会話を交わしたりする.
でも世界はフキの目にどう映っているのだろう.父親は怪しげな気功療法のサークルに大枚を払って参加している.母親は研修先の講師に恋心を抱いて,その知り合いがやっているという怪しげな健康食品を大量買いする.英会話の子の家の父親は浮気をしているようだ.「大学生」はフキを誘い出して自宅に連れ込んだりする.それらの大人の事情や葛藤を,フキは透明な目で観察し,また夢に見たりする.そういうフキの目を通したフキと周辺の人々のひと夏の物語.
主演の鈴木唯のきっぱりした演技が印象的だ.両親を演じる石田ひかり,リリー・フランキーもリアルな芝居.時々さしはさまれるフキの夢(妄想?)と思しき画像にも翻弄されながら(時々どのシーンが夢なのか現実なのか判らなくなる時もあり),日めくりのようにフキの日々を追っていく展開に引き込まれてゆく.フキが思春期ではなくその手前の少女だというところが,この映画のポイントであり,映画が深刻にならない境界線なのだろう.最後まで面白く見た.
★★★★(★5個が満点).













































































































































































































































































































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