独断的映画感想文:ミスティック・リバー
日記:2004年8月某日
映画「ミスティック・リバー」を見る.
監督・音楽:クリント・イーストウッド.ショーン・ペン,ケビン・ベーコン,ティム・ロビンス.
ボストンの下町,路上でホッケーをしていた3人の少年の内デイブが車で連れ去られ4日間監禁,暴行を受ける.
25年後ジミーの娘ケイティが殺され,その晩血だらけになって戻ってきたデイブ,刑事ショーンがそれぞれの立場で再会する.
ケイティの恋人レイの父はジミーと因縁のある相手で現在行方不明,ジミーはレイを忌み嫌っている.ショーンの妻は現在家出中,時々無言電話をかけてくる.それに向かって近況を語ったりするショーン.デイブは定職がなく覇気もないが,息子の野球の相手をしている.
それぞれの傷を負ったものたちの殺人を巡る息づまるやりとり.犯人は誰か,のミステリーもさることながら,それぞれの抱えた傷の明らかになっていく展開も緊張感に満ちている.
3人の役者がいずれも良く,カメラも美しい.クリント・イーストウッドの音楽がこんなに良いとは思わなかった.この映画は好き嫌いの別れるところらしいが,僕は好きである.クリント・イーストウッドの映像センスが好きといったらよいのだろうか?
最後のシーン,自分の愚かな言動で夫を失った女,妻に自分の立場を正当化され立ち直った男,苦しんだ果てに妻と子を取り戻した男がそれぞれに視線を交わすパレードのシーンは印象的.★★★★☆(★5個が満点).
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