独断的映画感想文:トーク・トゥ・ハー
日記:2004年8月某日
起きてびっくり外は雨,映画「トーク・トゥ・ハー」を見る.
ペドロ・アルモドバル監督のスペイン映画.
冒頭,バレー(「カフェ・ミュラー」というらしい)を見る2人の男.ベニグノは母の看護を15年続けた後,街でバレリーナの卵アリシアを見初め,彼女が交通事故で昏睡状態になった病院で彼女の看護人を4年続けている.
マルコは女闘牛士リディアのインタビューを通じ彼女と愛し合う中になるが,試合での事故で彼女も昏睡状態になり,アリシアと同じ病院に入院する.そこで2人の男は初めて知り合うようになる.
昏睡する女を愛し続ける2人の男.ベニグノはアリシアに話しかけ続けるが,マルコはリディアに話しかける気にはなれない.
女への一方的なものに見える男たちの愛,物語は展開しやがて生と死が訪れる.
映画の幕切れ,冒頭同様バレーの舞台を見つめる男と女.ここから再生の愛が生まれる予感を残して映画は終わる.
スペイン映画の色彩感覚としゃれた映像は,この映画でも素晴らしい.いかにも映画らしい映画.ジェラルディン・チャプリンがバレーの教師役で出ているが(彼女自身ロンドン・ロイヤル・バレー・スクール出身),彼女が長年カルロス・サウラ監督のパートナーだったことを,この映画の解説で初めて知った.★★★★(★5個が満点)
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