独断的映画感想文:覇王別姫
日記:2004年6月某日
映画「さらば我が愛-覇王別姫」を見る.
監督チェン・カイコー(北京ヴァイオリンのユイ教授である),レスリー・チャン,コン・リー.
堂々たる叙事詩.
京劇の一座に預けられた娼婦の息子小豆は,仲間の一人小楼と兄弟の契りを結ぶ.
二人は長じて一座の花形になり,覇王別姫の楚王と虞姫を演じて人気を博す.
小楼は遊郭の女菊仙と結婚,それ以来この3人の男女は葛藤に苦しむことになる.
時は日中戦争から国共内戦,そして文化大革命へと移りゆき,文化大革命の中で大衆追及を受ける中,遂に3人は互いを裏切る結果となる.
最後,文化大革命の収まった1977年に小豆・小楼は再会し舞台稽古を行うが…….
文化大革命の描写は苦いものがある.
あの時代自分は糾弾する側の年代だった訳だが,今映画でそのシーンを見ると何とも言えないやりきれなさを感じる.人間の裏切りや苦難が革命というものなのかとつくづく思う.
チェン・カイコーはあの時代紅衛兵で,後に下方したとのこと.
京劇とその人気の素晴らしさは歌舞伎に通じるものがあって印象的,172分を全く長いと感じなかった.
★★★★☆(★5個で満点)
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