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2004/09/11

独断的映画感想文:櫂

日記:2004年9月某日
映画「櫂」を見る.1985年五社英雄監督,緒方拳,十朱幸代,石原真理子,高橋かおり.
名取裕子が見たくて「吉原炎上」を,夏目雅子が見たくて「鬼龍院花子の生涯」と五社英雄映画を見てきたのだが,その延長で見たこの「櫂」が一番良かった.
原因は脚本のせいだろうか,岩伍と喜和という二人の軸がしっかりしているからだろうか.
舞台はいつものように高知,女衒岩伍の嫁として,金を右から左に使う夫の稼業の足下を守り子育てをする喜和.しかし女衒で飽きたらず興行元への飛躍を図る夫は,女義太夫に手をつけ子供をもうける.
その子を引き取れと周囲から迫られても断固として拒否する喜和.しかし結果的に喜和はこの赤子綾子を愛情を込めて育てる.
しかし綾子が女学校へ行くという頃,夫は再び女を引き入れ,子宮筋腫の手術後退院した喜和は綾子と実家に戻る.その綾子を戻せと,借金をたてに喜和の父に迫る岩伍.喜和は遂にある決意をする.
岩伍と喜和の愛憎の物語だが,二人の俳優がしっかりした軸になっていて映画の構造が鮮明である.おまけに脇役や子役(当時10歳の高橋かおりは,子役と言って良いのだろうか?素晴らしい演技)が健闘していて,五社映画特有の嘘っぽさが無い.
十朱幸代はこのとき43歳,20代の若妻の濡れ場から50代の疲れ切った女までを演じて実に見事(と言ってもどう見事なのだろう?).
最後のシーンで岩伍と喜和の関係の本質が判るような気がするが,それは所詮男の身勝手と言うべきものだろう.自分もそれが分かる程度の,壮年の男ではある.★★★☆(★5個で満点).


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