独断的映画感想文:ヤァヤァシスターズの聖なる秘密
日記:2004年10月某日
映画「ヤァヤァシスターズの聖なる秘密」を見る.
2003年.監督:カーリー・クーリー.
サンドラ・ブロック,アシュレイ・ジャッド.
故郷を離れ劇作家として成功しているシッダがタイム誌のインタビューで,母から少女時代に叩かれたことを話し記事になってしまう.
故郷に住むエキセントリックな母ヴィヴィは激怒,親子の縁を切るという決裂状態に.
この危機に8歳の頃からのヴィヴィの盟友「ヤァヤァシスターズ」の3人の熟女がN.Y.に乗り込み仲裁に取りかかるが何とシッダを眠らせルイジアナへ拉致してしまう.そこでシッダは彼女たちから「ヤァヤァシスターズ」とヴィヴィの若い頃からの出来事を知ることになった.
母と娘の葛藤の物語だが(これだけで中年男にはなかなか難しい),キャスティングが絶妙,「ヤァヤァシスターズ」は少女・青春・現在の3人の俳優が,シッダは幼女・少女・現在の3人の俳優が演じているのだが,これが違和感なく繋がるところが傑作.
ヴィヴィのエキセントリックさは半端ではなく,また「ヤァヤァシスターズ」の大半はアル中治療経験ありというのはお国柄か.
美しい場面・感動的な場面がちりばめられた佳作と言えるだろう.しかし気になるところがある.よーく考えるとやっぱりこのヴィヴィはおかしい.
ヤァヤァシスターズは「あの娘は何も判っちゃいないよ」等と如何にヴィヴィが苦労したかを強調するが,シッダの方が判っているという気がする.ヴィヴィは明らかに普通の母親としての一線を越えている.
シッダと母の葛藤はシッダの結婚というゴールインでめでたく解決するのだが,それはそれで良いのだが,結局これはおとぎ話になってしまったということであろう.
シッダの弟妹たち,特に弟がその後どういう人生を送ったかについては,暗澹たる思いがわき上がってくる程で,オイオイこれでハッピーエンドかよって気になるところである(もっともこの程度のDVなぞ,きょうび特にドラマにもならん,というなら話は別であるが).
それほどアシュレイ・ジャッド演ずる若きヴィヴィはめちゃくちゃであった.その点気になって★★★(★5個で満点).
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