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2004/11/15

独断的映画感想文:隠し剣鬼の爪

日記:2004年11月某日
映画「隠し剣鬼の爪」を見る.
2004年.山田洋次監督.
永瀬正敏,松たか子,吉岡秀隆,田畑智子.
時代劇ファンとしては満足感の高い一編である.
この時代の息づかいが手に取るように見えてくる.道の狭さ,行き交う人々の服装,歩き方,家屋の小ささ,夜の暗さ.誠に過不足なく描いている.
ドラマの方は妹同然に育った女中のきえが,嫁ぎ先で虐待され病に臥せっていたところを助け出す「雪明かり」と,同門の剣士が謀反の疑いで入牢後脱走したのを上意討ちする「隠し剣鬼の爪」が一つの脚本にまとめられ,この脚本の出来が良い.
原作にない洋式軍隊や砲術の訓練という縦糸を入れているところがみそで,最後のシーンで主人公達が新しい時代に向け動き出す伏線になっている.
役者は永瀬正敏を始めうまいが,松たか子は少々このヒロインとは合わないのではなかろうか?
松たか子はきりっとした若さにあふれた俳優で,原作の女性の(と言うかこの時代の女性の)何かあれば死んでしまうのではないかという儚げなところが感じられない.松たか子では姑にいびられたらいびり返すだろうにという感じがしてしまうのだ.
神戸浩の下僕直太は,「たそがれ清兵衛」と全く同じ役で,彼以外に直太役はあり得ないと思うほどのでき.
隠し剣とは何かという最も大きな謎が明らかにされるタイミングがドラマの最高潮となっていて,この時の永瀬の演技も秀逸である.
緊張と緩和がうまく噛み合った映画で一気に終わりまで見た.★★★★(★5個で満点)


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