独断的映画感想文:チャイナタウン
日記:2004年11月某日
映画「チャイナタウン」を見る.
1974年.監督:ロマン・ポランスキー.
ジャック・ニコルソン,フェイ・ダナウェイ,ジョン・ヒューストン.
1930年代のL.A.チャイナタウン.
タフガイの私立探偵ニコルソンが依頼を受けて水道施設部長の浮気を調査するが,依頼人は偽物で調査結果は何故かマスコミに漏れ,本物の施設部長の妻ダナウェイが現れ,施設部長は殺される.
窮地に陥ったニコルソンの反撃が始まり,幾重にも深い事件の謎が次々に明らかになって行く.
フィリップ・マーロウを思わせるニコルソンの探偵ぶり,鋭い勘と推理力,権力と金に負けない硬骨ぶりはなかなか魅力的である.
ところで結論を言うとこの映画はハッピーエンドではない.犯人は逮捕されず,ニコルソンとダナウェイは幸せになれず,警察は腐敗し,ニコルソンは苦い敗北を味わう.順調に進んでいた捜査からこの結末への転調はいささか唐突だが,解かれた謎はあまりにも忌まわしかったという他はない.
最後のシーン,チャイナタウンの路上に長く響くクラクションの音が印象的である.
若いダナウェイの不思議な美しさが魅力的.ハードボイルドの味をよく表現した名作,★★★★(★5個が満点).
コメント
TB、感謝です♪
横面を張り飛ばされるようなラストでしたね。
あのバッドエンドというかサッドエンドには、
反感反発を感じる人もいるでしょうが、
結末があれだからこそ、リアルでもあり、
心の深いところで共鳴し得る何事かがあるようにも思えます。
少なくても、悪に対する憎しみは駆り立てられますものね。
投稿: カゴメ | 2006/06/27 09:07