独断的映画感想文:あの頃ペニー・レインと
日記:2004年12月某日
映画「あの頃ペニー・レインと」を見る.
2000年.監督:キャメロン・クロウ.
パトリック・フュジット.ケイト・ハドソン.
15歳でローリング・ストーン誌のライターとなる主人公(監督の実体験である)の,新進バンドのツアー同行記を書くロード・ムービー.
ペニー・レインはツアーに同行するグルーピーだが,彼女たち自身に言わせれば「自分たちはグルーピーじゃない.バンドに霊感を吹き込むバンド・エイドなのよ」と言うことになる.
ペニーが愛するギタリストと,ペニーを愛する主人公と,ペニーの3人の友情が軸になる.
70年代青春映画はそれだけで胸に来るものがあるが,それ以上にこの映画が魅力的なのは,音楽に対する愛情がシーンのそれぞれにちりばめられていることだ.
前夜,バンド分裂含みの喧嘩を演じ,ギタリストが薬と酒でぼろぼろになってツアーバスに戻ってきた朝,気まずい車中のシーン.エルトン・ジョンの「タイニー・ダンサー」が流れる.
優しさにあふれたこの歌がまた良いのだが,BGMと思っていたこの歌に会わせ,ベーシストが歌を口ずさみ始める.やがて一人また一人と歌に加わり,最後には仏頂面だったギタリストまでが歌い始める.
このシーンがどういう風に良いのかは口で説明しにくい.映画の作り手と映画を見る側が,ロックに対する共通の感情をこのシーンで確認しているとでも言えるだろうか?
随所に流れる70年代サウンドも心地よい.★★★☆(★5個が満点)
コメント
これ、私のお気に入りです。TBさせてください。
投稿: チュチュ姫 | 2006/06/28 21:40