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2005/03/06

独断的映画感想文:三文役者

日記:2005年3月某日
映画「三文役者」を見る.
2000年.監督:新藤兼人.
竹中直人,荻野目慶子,吉田日出子,二木てるみ.
俳優殿山泰司の伝記映画.
映画の舞台は昭和20年代から彼の死去までの約40年間.放蕩無頼,酒と女とジャズとミステリという「タイちゃん」のキーワードが心地よく描かれる.実際の映画の殿山泰司や乙羽信子のシーンが挿入され,懐かしい.
僕がちゃんと見た彼の主演映画は「裸の島」くらいだが,これが昭和35年制作.
竹中直人の殿山泰司は,(特にそのしゃべり方が)いつの間にか本人と混同してくるくらいにうまい.
その上を行くのがキミエ役の荻野目慶子.この人の実人生も波瀾万丈らしいが,この映画のキミエ役の魅力的なこと.17歳で38歳のタイちゃんにやられて以来,心底タイちゃんに惚れて人生を共にする.
だからタイちゃんが鎌倉の本妻(吉田日出子,うまい)の所に行ったり女のアパートにしけ込んだりすると,たちどころに感知して現れ,ちゃぶ台をひっくり返したりスーツケースをまとめたりブチ切れる.この痛快なキャラクターの演技の見事さ.引き込まれ,泣いたり笑ったりして見るのが楽しい.
二木てるみさんが出ていて,相変わらず美しい.この人はデビュー作「赤ひげ」以来のファン.
ところで乙羽信子が本人役で出ている.
彼女は平成6年に亡くなっているから,この映画ができた平成11年は没後5年である.ということは,殿山泰司が亡くなった平成1年以降この映画の企画と脚本が準備され,既に死ぬことが判っていた乙羽信子のシーンを先に収録し,全体はこの乙羽信子のシーンと合わせて平成11年に完成したということだ.
あでやかな笑みを浮かべて観客やタイちゃんに語りかけている乙羽信子を見ると,乙羽信子と新藤兼人ご両人の映画に賭ける執念に圧倒される思いがする.
それやこれやで★★★★(★5個が満点)
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