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2005/04/05

独断的映画感想文:昼下がりの決闘

日記:2005年4月某日
映画「昼下がりの決闘」を見る.
1962年.監督:サム・ペキンパー.
ランドルフ・スコット,ジョエル・マクリー.
年老いたガンマンが,金の輸送を銀行から請け負う.
彼は町で会った旧友と彼の相棒の若者を雇い,金鉱の町に向かう.途中の牧場には狂信的キリスト教徒の父とその娘がいて,娘はかって恋した金鉱で働く男のもとに出奔すべく,彼らについてきてしまう.
金鉱の町で娘は男と再会,結婚式を挙げるが,男の兄弟達は新妻を共有しようと言う荒くれ男達で,娘はガンマン一行と逃げることになる.一方旧友は鼻っからガンマンが運ぶ金を強奪しようと企んでいた….
最初の設定では,決闘相手はこの金輸送を襲う強盗かと思っていたら違いました.この辺から話は(僕にとっては)妙に捻れてくる.
つまりこの決闘で襲ってくるのは,合法的結婚をしたのに妻を奪われた男とその兄弟です.
しかもその妻たるや拉致したのでも駆け落ちしたのでもない,向こうから押し掛けてきた女房です.それが兄弟に共有されるのがいやだと言って(まあそりゃそうだろうが,金鉱町で女はちょっぴりしかいないそんなところに来る方が悪い),別の男と逃げてしまう.だから追っかけて女を取り返そうとした.
しかも相手の一行は銀行に雇われたと言っているが,その片割れは相棒を裏切って金を持って逃げようとしているらしい.金と言えば銀行のものではあるが元々は自分たちの掘ったものだ.相手を撃って金を取り戻す正義は,むしろ男と兄弟側にあるのではないか?
というわけで男と兄弟は延々とガンマン一行を追ってくる.
最後にガンマンを追いつめたと思ったら,ガンマンから決闘で決着をつけようと言われ,兄弟の長兄がそれを受けて立ってしまう.決闘の結果はまあ言わないけど,それにしてもこんな馬鹿な話がありますか?
僕はこのならず者ロートルガンマンに射殺される(しまった,言ってもうた),金鉱堀労働者兄弟にいたく同情してしまう.
こんな災難がこの世にあるものだろうか?
サム・ペキンパーの得意な,老いたガンマンの悲哀を描く西部劇として,カメラもいいし展開もスムース,映画の形としては良いと思うが物語はむちゃくちゃである.
主人公の側に感情移入はできない.悪役が気の毒と言うことだけが,見終わった後ふつふつと湧いてくる感情である.
同じ監督の「ビリー・ザ・キッド」は良かったのになー.
★☆(★5個が満点)
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コメント

まったく同感。でも老人にしたら、孫娘のような、まだ男とはどんなものかも知らず、結婚などただ夢にみているだけの女の子が、こんな荒くれどもの世界に投げ込まれるのを見捨てておけなかったのでしょう。父親のもとに送り返して、時間をおいて考え直すようにしたかったんじゃなかろうか。ロートルの一人として理解できなくもない。荒くれ兄弟のなかに花嫁一人というと「略奪された七人の花嫁」があったけど、あれはしっかり者の花嫁だつた。

投稿: | 2011/09/20 14:55

ちょっと違うんじゃないの。スティーブは金山労働者に賃金を払って金を受け取り運ぶ役目。ギルはこの金を奪おうとするが、スティーブはこれを阻止する。ギルもしがない生活から抜け出したいと一時は悪心を起こすが、結局はスティーブを見捨てることができない。エルザは厳格な父に反抗して父の元から逃げたいだけの一心でよくも知らない(二度しか会っていない、と言っていた)ビリーと結婚するが、正体を知ったから逃げた。ビリーを愛しているわけでも何でもないから正体が分かれば逃げるのは当然。男達にたらい回しされたら悲劇である。助けるのが男気だろう。

投稿: 案山子 | 2011/09/23 10:09

案山子様
コメント有り難うございます.
さて,この映画についてはあなたの仰るとおりです.
本blogは独断と偏見を旗印に掲げ,人様と出来ればひと味違う感想を書こうという下心で運営しています.
従って普通の人はあなたと同様の感想を抱くことでしょうが,ひねくれ者の小生は敢えてこういう駄文を公開している次第.
ちょっと違うんじゃないのと言われればその通りなのですが.
これに懲りずにまたお寄り下さいませ.

投稿: ほんやら堂 | 2011/09/24 21:13

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