独断的映画感想文:LOVERS
日記:2005年4月某日
映画「LOVERS」を見る.
2004年.監督:チャン・イーモウ.
金城武,チャン・ツィイー,アンディ・ラウ.
同じスタッフの「HEROES」に続く武闘アクション映画.
唐の時代,朝廷に反旗を翻す飛刀門一味を取り締まる地方官吏リウ,その部下で友人の随風は一味の前首領の娘小妹が遊郭の芸妓だという情報をつかみ乗り込む.
小妹を捕らえた彼らは,小妹をわざと逃がし一味の本拠を探る作戦に出る.小妹を連れ逃げる随風だがやがて彼女に恋心を抱くようになる.
一方この逃亡を知った朝廷は軍を派遣し,一挙に一味の殲滅を図るのだった….
敵味方に分かれた3人の男女の愛と闘争,見応えのある映画である.
映像的には豪華絢爛,ズビン・メータ指揮する「トゥランドット」の舞台演出も務めた監督らしく,冒頭の遊郭での小妹の舞踏シーンは色彩鮮やか,夢のような美しさである.このシーンで踊りながら歌われる「北方の佳人」の歌も良い.
やがて随風と小妹の二人は馬を駆って林の中を逃亡する.全編の半分を占めるのではないかと思われるこの森林シーンの美しさはどうだろう.
幾たびも朝廷の追っ手に襲われる二人,矢尽き刀折れた最後の段階で現れる飛刀門,物語はここから意外な展開となる.
和田恵美のデザインになる,この森に住む飛刀門の衣装も息をのむほど美しい.
映画の展開全体はやや冗長に感じられるが,チャン・ツィイーの美しさと演技がそんなことを吹き飛ばしてくれる.この女優の恋人を見送るときにこぼれる哀しげな笑顔は,何とも言えない魅力であった.見て損はなし.
★★★★(★5個が満点)
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