独断的映画感想文:宇宙戦争
日記:2005年6月某日
映画「宇宙戦争」を見る.
2005年.監督:スティーヴン・スピルバーグ.
トム・クルーズ,ダコタ・ファニング,ティム・ロビンス.
言わずとしれた古典的SFの傑作を原作としたリメイク.
しかし前作(1953)に比べ時代の反映なのだろうか,すさんだ絶望的な印象を与える映画となってしまった.
宇宙侵略の恐ろしさは確かにひしひしと感じられるが,エンタテインメントである以上人間の側の物語が欲しいと思う.侵略され反撃する側の連帯は,アメリカ映画のお得意ではないか?
しかしこの映画にはそういう場面は皆無,市民は絶望的な難民として,時には殺し合う存在としてしか描かれない.
主人公の家庭の複雑な状況も説明不足で,監督にはCGを駆使してアメリカが廃墟になる過程を描く気はあっても,人間の側の物語を描く気は最初から無かったのではないかという印象を受ける.
ダコタ・ファニングの絶叫が悪い意味で印象的.
今のアメリカは自分たちこそが世界に災いをもたらす悪の枢軸だと言うことを,潜在意識下に感じているのではないか.それがこの映画が与えるすさんだ絶望的な印象の,原因ではないのかと思ってしまう.
★☆(★5個が満点)
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