番外:独断的歌舞伎感想文:十二夜
日記:2005年7月某日
歌舞伎「十二夜」を見る.
演出蜷川幸雄.
尾上菊五郎,尾上菊之助,尾上松禄,市川左團次,中村時蔵,市川亀治郎.
嵐のために遭難した双子の兄(セバスチャン)と妹(ヴァイオラ),妹は兄が死んだと思い男に姿を変え,シザーリオと名乗ってオーシーノ公爵の小姓となる.
公爵はオリヴィア姫に恋し,その恋の使いにシザーリオをたてるが姫はこのシザーリオに恋してしまう.これに姫の召使いや伯父,道化のフェステ,姫に恋する執事のマルヴォーリオ,姫に執心するアンドルーが登場しての大騒ぎ,最後にセバスチャンが現れて話は一気に大団円へ.
このシェークスピアの原作を歌舞伎に翻案しての4時間半は,ちょっと長すぎて難行苦行だが,面白い芝居.
冒頭の公爵邸でのハープシコード伴奏での賛美歌の合唱から始まる舞台は,ハーフミラーを多用した斬新なもの(1階席の客が映って見える).
回り舞台等を多用したテンポの良い展開,また俳優では菊之助が美しく,天才バカボンとしか思えないノータリンのアンドルー(安藤英竹)役の尾上松禄は衝撃的.
腰元まあ役の市川亀治郎はダイナミックな動きで怪演(マルヴォーリオを袋だたきにする場面,手に持った竿竹に素振りをくれるときの,野球選手の様な身のこなしが良い).
終わってみれば楽しい恋の馬鹿騒ぎだった.
★★★★(★5個が満点)
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