独断的映画感想文:17歳のカルテ
日記:2005年8月某日
映画「17歳のカルテ」を見る.
1999年.監督:ジェームズ・マンゴールド.
ウィノナ・ライダー,アンジェリーナ・ジョリ,ウーピー・ゴールドバーグ.
60年代末,自殺未遂を起こした17歳のスザンナは,精神病院に入院することになる(これもいささか唐突な話ではあるが,映像的には彼女に幻覚があるか時間的混乱があるかのような示唆がある).
若い女性ばかりの病棟に入った彼女は,最初こそ違和感を覚えるものの,そのうち病棟の「仲間」たちとの生活に心地よさや連帯感さえ感じるようになるのだった….
この映画は主人公スザンナの目で見た思春期の女性と精神病棟の物語だが,中心となる登場人物は,アンジェリーナ・ジョリ演じるリサという女性,反抗的で思ったことをそのまま言い,感情豊かな魅力的な女性だ.
自分の思いを文章にはするが行動に表すのが不得手なスーザンは,たちまち彼女の虜となる.
しかしリサは行動力はあるが,その判断は病的なものがあった.やがていくつかの経験を経て,スザンナは自分の未熟さとリサの限界を認めるようになる.
その意味でこの映画は精神病棟を描きながら,スザンナと周辺の女性の思春期の成長の物語でもある.原作は主人公と同名の女性の実体験によるノンフィクション,そのせいか,映画は病棟にいる患者に同情的で,彼女たちが本当に精神病患者なのかどうかに曖昧な点が残る.逆に言うと,正常として最後に退院していくスザンナは,果たして本当に治癒したのか?という疑問が残るのだ.
その点は別として,アンジェリーナ・ジョリとウィノナ・ライダーは出色の出来.二人の演技だけでも見応えある映画となった.ボブ・ケネディの立て看,マーチン・ルーサー・キングJr.の暗殺,その時代の音楽等も懐かしい.
★★★(★5個が満点)
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コメント
人気ブログから着ました。
「17歳のカルテ」二人の女優の演技と
音楽の選曲が私も好きで劇場で2度観て、
サントラも購入。この時代の音楽は温かいですね。
TBさせていただきます。
投稿: パフィン | 2005/08/09 21:29
数日前にブログを始めたばかりで勉強中です。これからも参考にさせて頂きます!頑張って下さいね。
投稿: sayaka | 2005/08/10 19:28