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2005/08/29

独断的映画感想文:女ざかり

日記:2005年8月某日
映画「女ざかり」を見る.
1994年.監督:大林宣彦.
吉永小百合,三國連太郎,津川雅彦,藤谷美紀,月丘夢路その他大勢.
言わずとしれた丸谷才一のベストセラーの映画化だが,何が言いたい映画なのかさっぱりわからない.
大新聞社の論説委員となった弓子が書いた社説が,与党のさる支持団体の逆鱗に触れ,新聞社の新社屋問題と絡め弓子の更迭が求められる,その事件の顛末である.
弓子は離婚後一人娘を育てているが,大学教授の洋吉と不倫,同僚の十三から想いを寄せられている.この弓子が吉永小百合ってどう見ても受け入れ難いじゃないですか.
論説委員たちの衒学的な会話も鬱陶しい,の一言に尽きる.吉永小百合の前でふるちん(失礼!)になって見せる津川雅彦には殺意を覚える.
また弓子の与党への反撃で,愛人の洋吉が妻を通じた与党幹事長の知り合い,娘の婚約者の伯父が与党重鎮が師と仰ぐ書道の大家,実の伯母(女優)が首相のかっての愛人だった等々の人脈があって,それを駆使していくというのもほとんどおとぎ話である.
あり得ない存在の主人公があり得ない状況下で清く正しく明るく振る舞っていくという小百合映画,見終わってもなんだか悪い夢を見た様な気がする.
希有な体験ではあるから興味のある方はどうぞ.
☆(★5個で満点)
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