独断的映画感想文:靴に恋して
日記:2005年7月某日
映画「靴に恋して」を見る.
2002年.原題は「piedras(岩石)」.監督:ラモン・サラサール.
アントニア・サン・ファン,ナイワ・ニムリ,アンヘラ・モリーナ,ルドルフォ・デ・ソーザ.
主人公は5人の女,それぞれ「黄色いスニーカーを履く女」「盗んだ靴を履く女」「小さい靴を履く女」「扁平足の女」「スリッパを履く女」と説明がついている.
邦題はこのことから靴をテーマにつけられているのだろう.予告編も靴中心に作られているが,いささか無理矢理という感じで,原題は「岩石(英語名はstones)」.
映画はこの5人の女とそのパートナーや家族の,次第に交錯していく人生模様・恋愛模様を描くもの.
この5人の女たちの恋はいずれもうまくいかない.恋ってこんなに難しいものだったろうか?恋だけじゃない,人生そのものがなかなかうまくいかないのだ.
しかし駄目だと思ったときに意外な出会いがあって,彼女らの人生はそれぞれ全く新しい展開を見せていく.ある人は再生を掴み取り,ある人は苦渋の人生へと向かう.
映画はその一つ一つの軌跡を巧みな場面転換でつなげていきながら描写する.ゲイ達者な俳優たちに演じられた物語は,最後まで緊張感をとぎれさせない.
スペイン映画らしい,我々の日常とは異質な世界の物語だが,人生への共感は相通じるものあり.
★★★☆(★5個が満点)
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コメント
これは重すぎず、軽すぎず、本当にいい映画ですよね。本当のタイトルは、『PIEDRAS』(石)。
これは大きな壺に人生に必要なものを石としてつめていくと、最終的にはあふれてしまうから自分にとって最も大切な大きさの石から詰めていかなかえればならない ということ。この5人の女性はそれができない。。それどころか大切な石の置き場まず探さなければならない=大きさの合う靴を探して に繋がってました。
投稿: Cartouche | 2005/08/30 15:17