独断的映画感想文:グッバイ、レーニン!
日記:2005年7月某日
映画「グッバイ・レーニン」を見る.
203年:監督:ヴォルフガング・ベッカー.
ダニエル・ブリュール,カトリーン・ザース,チュルパン・マハートヴァ.
1989年,ベルリン.テレビ修理屋に勤めるアレックスの母クリスティアーネは,夫が西に亡命した後教師として模範的な党員として二人の子供を育ててきた.
建国40周年に沸く街,クリスティアーネも表彰される会場へと急ぐが,街頭で反体制デモに参加して逮捕されるアレックスを見た彼女は,心臓発作で倒れる.
それから8ヶ月,彼女は奇跡的に意識を回復するが,その間に東ドイツは解体していた.クリスティアーネにショッキングなものはいっさい見せてはいけないと医師に言われ,アレックスは彼女の病室を東ドイツ時代のままに修復して退院させる.彼女はやがてテレビを見たいといいだして….
この後は窮地に追い込まれるアレックスと彼の周辺の人々のコメディ.
彼がアマチュア映像作家と組んで作り上げ,ビデオで流す「東ドイツ」は,西ドイツを吸収したり宇宙飛行士が活躍したり素晴らしい.
一時回復したクリスティアーネが路上に立ちつくす前を,ヘリコプターに吊り下げられ夕陽を浴びて運ばれていく巨大なレーニン像(の上半分).像はゆっくり回転し,彼女に向かって微笑みながらその右手を差し出す,そのシュールな夢の様なシーン.
歴史の流れに巻き込まれていく人々の中で,思わぬかたちで自分の生まれ育った歴史と家族史を総括する羽目になったアレックス達の,何となく暖かい物語だった.
6月に「ラヴェンダーの咲く庭で」で出会ったダニエル・ブリュールが良い.
★★★☆(★5個が満点)
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コメント
始めまして。あの、レーニン像がゆっくり運ばれていくシーンは印象的でした。
投稿: たもと | 2005/08/21 15:06