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2005/08/17

番外:独断的歌舞伎感想文:法界坊

日記:2005年8月某日
歌舞伎座夜の部「法界坊」を見る.
串田和美演出.
勘三郎,扇雀,勘太郎,七乃助,亀蔵,橋乃助,福助.
法界坊は初見だがこの勘三郎の「串田法界坊」は見応えあり.
吉田家再興を図る松若君(「くん」ではありません,「ぎみ」です)は,永楽屋の手代に身をやつし,家宝の鯉魚の掛け軸を探している.
松若には野分姫という許嫁がいるがこれは子供の時に別れたきりで,今は永楽屋の娘お組と恋仲.ここに同じくお組に夢中の掛け軸の所有者山崎屋,お組に一目惚れした法界坊,お組に下心ある永楽屋番頭正八,国から出てきた野分姫が入り乱れ,お組を手に入れよう掛け軸を我がものとしようという大騒動となる.
法界坊はお組を襲うが失敗,それでも掛け軸を手に入れたものの,お組誘拐にはまたも失敗,野分姫を斬り殺すが吉田家の忠臣甚三郎にあっさり倒されてしまう.
ところが法界坊と野分姫の霊は合体霊となり,松若君とお組を苦しめる….
舞台はスピーディーな展開で台詞も早口(野分姫だけが育ちの良さでスローモーなのもギャグとなっている),勘三郎のサービス精神旺盛なことは並大抵ではない.
序幕で座敷にいる松若・お組が痴話喧嘩している後ろに山崎屋,法界坊が入れ替わり立ち替わり現れては次々掛け軸をすり替えるめまぐるしい展開や,お組を法界坊,正八がまた入れ替わり立ち替わり襲うところなど抱腹絶倒である.
勘三郎は宙乗りもサービス.細かいところにも小ネタを満載で仕込み,客を退屈させない.
一方で型どおりの見得の美しさ,大喜利の浄瑠璃の舞踊のすばらしさは見事.満足度の高い3時間であった.
★★★★☆(★5個が満点)
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