独断的映画感想文:天国の本屋~恋火
日記:2005年8月某日
映画「天国の本屋~恋火」を見る.
2004年.監督:篠原哲夫.
竹内結子,玉山鉄二,香里奈,新井浩文,香川照之,原田芳雄.
天国もののファンタジー.
演奏会のできが悪くクビになったピアニスト健太,やけ酒を飲んで気が付くとなんと天国の本屋にいる.
怪しい店長の言うには,死んでいないが短期アルバイトとして採用されたのだという.仕方なく彼は本の朗読や配達という本屋の仕事に精を出す.
店で知り合った翔子は彼が子供の頃あこがれたピアニスト,彼女との交流の中で,彼女が生前作ろうとして未完成だった組曲を完成させることになる.
一方地上のある町では町興しの青年会が花火大会を復活させようとしている.特に伝説の打ち上げ花火「恋する花火」を復活させようと奔走する香夏子は,亡き翔子の姪である.
彼女は「恋する花火」を作っていた元花火師を捜し出すが,その瀧本は翔子の恋人であり,事故で翔子の左耳を聞こえなくさせた本人だった….
天上で進行する未完成組曲の作成,地上で進行する伝説の花火の復活,その両者が成就する奇跡の夏の夜,という仕掛けで進行する美しいドラマ.
ロケ地北海道の自然が,こんな天国も良いなと思わせる.竹内結子の,静的な翔子と動的な香夏子の二役も印象的.
僕は昔から生者と死者ものに弱く(例えば「異人たちとの夏」),この映画でも,健太と同じ短期バイトの由衣が失った弟と巡り会い別れるシーン(生前と同様,童話を朗読してやるのだ.その童話がまた良い童話)には,泣いてしまった.
松任谷夫妻の音楽が良かった.特に,作られていくピアノ組曲は全て松任谷正隆さんのオリジナルなのだろうか.
最後の花火大会シーンも素晴らしい.迫力ある音と美しい映像,そこに重ねられるドラマの最高潮は見応えあり.
そんなこんなで★★★★(★5個が満点)
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