独断的映画感想文:Ray/レイ
日記:2005年9月某日
映画「Ray/レイ」を見る.
2004年.監督:テイラー・ハックフォード.
ジェイミー・フォックス,ケリー・ワシントン,クリフトン・パウエル,シャロン・ウォーレン.
レイ・チャールスの伝記映画.といっても中心はデビューの1948年から60年代半ばまでの20年間.
しかしこの間にレイはC&Wからジャズ,ソウルからR&B,ゴスペルからポプスと次々にジャンルを広げてヒットを重ね,押しも押されもせぬ大歌手になっていく.
一方この20年間は,ヤクと女性遍歴で自分も周りをも苦しめていく過程でもあった.映画はレイの幼少時代にも時間を割き,母親(シャロン・ウォーレンがすばらしい)との関係,また特に幼くして死んだ弟との関係に焦点を当てる.このことが映画のドラマに奥行きを与えている.
しかし,この映画の楽しさは,それより何より演奏シーンのすばらしさ.
レイの歴史的名曲の数々が次々と出てくるだけでうれしい.
特に,クラブで契約時間が20分余ってしまい,即興的にブルースコードを弾き始めたレイが歌い,コーラスが加わり,ブラスがほんの数語の打ち合わせで加わっていって延々と演奏される「ホワッド・アイ・セイ」のシーン.背中がぞくぞくし,座っていられないほどの興奮,思わず手を打ち踊りたくなるような気分になる.
これらの音楽シーンを含め,ジェイミー・フォックスのまさに渾身の演技はすばらしい.
エンドタイトルを見ると,ほとんどの曲はレイ・チャールスの演奏だが,2曲ほどジェイミー自身の演奏も含まれているようだ.映画を見ている内にレイ・チャールス自身がそこにいるように思えてくる.
見て損は無し.
★★★★☆(★5個が満点)
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