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2005/10/11

独断的映画感想文:25時

日記:2005年10月某日
映画「25時」を見る.
2002年.監督:スパイク・リー.
エドワード・ノートン,フィリップ・シーモア・ホフマン,バリー・ペッパー,ロザリオ・ドーソン,アンナ・パキン.
ヤクの売人をしているモンティは,密告により逮捕され7年の判決を受ける.その収監を翌日に控えた,彼の24時間の物語.
小柄でハンサムな彼にとって,7年間の刑務所生活は地獄の日々となるのは想像に難くない(って言うんだけど,日本の刑務所とはえらい違いですね).
その絶望,彼を密告したのが妻ではないのかという疑心,老父との別れ等に苦しみつつ,その夜の友人とのパーティー,ヤクの組織からの呼び出しへの対応を淡々と片づけていくモンティ.
これと平行して,夜のパーティーに集まる親友,ジェイコブとフランクの生活も描かれる.
フランクとはアイルランド系同士,ジェイコブは名前の通りユダヤ人.その二人がパーティーに行く前落ち合うフランクのアパートは,眼下にグラウンド・ゼロ(9/11テロの爆心地)を見下ろす高層アパートだ.
一方画面では,絶望の余りモンティが吐く他民族への毒舌も描かれる.
そういえば,映画の冒頭に描かれるN.Y.の美しい夜景で,二筋のサーチライトがまっすぐ上空に向かって伸びていたのは,何を意味していたのだろうか?
この様に映画はきわめて象徴的なシーンを交えて進行し,モンティの深まる絶望と焦燥,あるいはある種の和解,一筋の希望,そして現実の受け入れを淡々と描いていく.
モンティは自業自得で自分の人生を台無しにした男だが,一方で検察との取引も,ヤクの組織への従属も,自分の不利を承知できっぱりと拒否する男でもある.
そういう男とその親友を通じて,監督はアメリカの何を描こうとしているのか.
硬派でならす監督らしい,印象深い映画.
★★★★(★5個が満点)
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