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2005/10/24

独断的映画感想文:キングダム・オブ・ヘブン

日記:2005年10月某日
映画「キングダム・オブ・ヘブン」を見る.
2005年.監督:リドリー・スコット.
オーランド・ブルーム,リーアム・ニーソン,エヴァ・グリーン,ジェレミー・アイアンズ,ハッサン・マスード.
十字軍華やかなりし1184年,イベリン卿ゴッドフリーは息子バリアンを捜しだし,父の名乗りを上げる.
ゴッドフリーは,キリスト教徒とイスラム教徒の共存政策をとるエルサレムの王ボードウィン4世に忠誠を誓う,高潔な騎士だった.彼はバリアンに共にエルサレムに行くことを勧める.
バリアンはエルサレムに赴き,王に忠誠を誓うが,途中の負傷でゴッドフリーは到着後命を落とし,バリアンは跡を継いでイベリン卿となる.
王の妹シビラは奔放な女性だが,その夫でテンプル騎士団を率いるギーは狂信的キリスト教者で,王の意向に背きサラセン王サラディンへの挑発を繰り返す.物語はギーのもたらす破滅と,攻め寄せる圧倒的なサラセン軍とのエルサレム攻防戦へと展開する….
題名の「キングダム・オブ・ヘブン」は,エルサレム王の実現した,異教徒共存政策による束の間の繁栄を指すようだ.このコンセプトにより,観客は現代の宗教問題や,十字軍の歴史的評価というややこしい問題から離れ,単純に史劇を楽しむことができる.
オーランド・ブルームはやや地味目で,サラセンの大軍を前にエルサレム市民を一致団結させるカリスマ性には欠けるかもしれないが,その辺は好みというものだろう.
ジェレミー・アイアンズがやはりうまい.サラディン王役のハッサン・マスードは,役のキャラクターも俳優も共に魅力的.
最終局面,バリアンの「王にとってエルサレムとは何か」との問いに「無だ」と答え,去って行く途中振り向き「しかし全てだ」と付け加えたときの笑顔が,印象的.
★★★☆(★5個が満点)
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» キングダム・オブ・ヘブン [坂部千尋のsparrow diary]
 数日前の日記でも書いた通り、若手映画俳優1の甘いマスクの男オーランド・ブルーム主演{/kirakira/}キングダム・オブ・ヘブン{/kirakira/}を観ました{/kaeru_en2/}  それほど話題に上らなかった気がするこの映画{/face_ase2/}観終わったみるとメッセージ性のあるいい映画だったような気がします{/kaeru_en3/}           ★ストーリー★物語の舞台は12世紀のフランス... [続きを読む]

受信: 2005/11/09 01:24

» キングダム・オブ・ヘブン [おすすめ本と最新映画情報【書評と映画レビュー】 本検索、本通販、映画館、読書感想文、評論、批評]
おすすめ度:★★★  この映画は、12世紀のフランスとエルサレムのを舞台に、十字軍とエルサレムの歴史に基づいて、主人公が鍛冶屋から騎士へと成長する姿を描いている。  映画は、フランスで鍛冶屋を営んでいる青年バリアンのもとに、突然父親と名乗る男が現れる。父....... [続きを読む]

受信: 2006/01/17 14:50

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