独断的映画感想文:解夏
日記:2005年10月某日
映画「解夏」を見る.
2003年.監督:磯村一路.
大沢たかお,石田ゆり子,富司純子,林隆三,田辺誠一,古田新太,柄本明,松村達雄,石野真子,渡辺えり子.
ベーチェット病を患う主人公の,発病から失明までの物語.
映画の中で禅寺の老師(松村達雄,最後の好演)が言うには,昔釈迦が雨期の托鉢説教を禁じ,その期間90日は庵にこもって瞑想にふけるよう命じたという.90日の行に入る日を結夏,終わる日を解夏という.
失明の恐れに苦しむ期間を行ととらえ,失明した日にはその恐れ自体からは解き放たれる,その日があなたの解夏だと老師は言う.
映画は絶望と恐怖に苦しむ主人公が,如何に解夏を迎えるのかを描く.
主人公が,その目に焼き付けようという長崎の風景が美しい.長崎の人はどう言うか分からないが,俳優の長崎弁の台詞も耳に心地よい.丁寧な作りの映像に好感が持てる.
ただし脚本には違和感のあるところもある.
恋人はどうしてモンゴルに行ったのだろう.モンゴルロケといえば大変なことだと思うが,それが何かの伏線になるわけでもないようだし,只行って来ただけ.主人公が小学生から暴行される夢のシーンも,後につながると思えない.
こういった挿入されるエピソードが意味不明である.誰か説明してください.
キャスティングはやたら豪華,ちょっとひねった映画なら別に1本とれちゃいそうなほど,何でこんなに豪華なのか,誰か教えてください.
でもまあ悪い映画じゃありません.石田ゆり子のアップがフェイドアウトするラストシーンが印象的だった.
★★★(★5個が満点)
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