独断的映画感想文:レディ・ジョーカー
日記:2005年11月某日
映画「レディ・ジョーカー」を見る.
2004年.監督:平山秀幸.
渡哲也,徳重聡,吉川晃司,大杉漣,菅野美穂,長塚京三,岸辺一徳.
高村薫のベストセラーの映画化.
日の出ビールの社長が誘拐される.犯人グループは数日後社長を解放,身代金の密約を巡って警察・日の出ビール・犯人グループの三つどもえのさぐり合いが始まる.やがて警察の裏をかいて身代金が支払われるが,犯人達の目的は身代金ではなかった…?
原作は戦後日本を重層的に描いた長編である.それを2時間ちょうどの作品にまとめるのはなんぼ何でも無理があったみたいで,エピソードのそれぞれが中途半端な印象はぬぐえない.
総会屋の介入はどうなったのか,20億の身代金はどこへ消えたのか,刑事課長代理は何故突然自殺をしたのか,判然としない事項が多すぎる.
そもそもレディが何故グループの統合の象徴になったのかも,よく分からない.
作品がやろうとしていたことの大筋は間違っていなかったと思えるので,こういう点が残念である.
俳優では吉川晃司が良かった.長塚京三の演技は,この複雑な構成の作品に良いバランスを与えていると思える.惜しい作品.
★★★(★5個が満点)
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