独断的映画感想文:濡れた赫い糸
日記:2005年11月某日
映画「濡れた赫い糸」を見る.
2005年.監督:望月六郎.
北村一輝,高岡早紀,吉井怜,奥田英二.
クラブで行き会った美しい女一美,茂は一目惚れするが彼女は忍山という色町で働く娼婦だった.
仕事も辞めひものように忍山で彼女と暮らす茂,しかし彼女のヤクザの夫が出所すると一美はそのもとに帰り,追った茂は袋叩きに会う.
1年後ホストになっていた茂は恵利という女を引っかけ忍山に連れ込む.一時は順調に見えたひも生活だったが,恵利も茂の知らない秘密があって….
一美と恵利に翻弄されてしかし懲りずに忍山で暮らしていく,心優しい(というか詰めの甘い)男,茂の物語.
こういう場合,男が成長するか転落するか,あるいはいい加減に見えてもいざというときに命がけの戦いを挑むか,今までの望月映画ならそういう展開だったと思うのだが,今回はちょっと勝手が違う.
茂はそのどれでもないのだ.
茂の師匠格に当たる中沢は,その点もう少し輪郭のはっきりした男なのだが.
女も,決定的場面で男に命をかけるか,男を捨てるか,男に捨てられるか,という感じで見ていくとこれも違うのである.
特に強烈な個性の持ち主として描かれる恵利は,その過去に何があったのか,クライマックスの事件後どうなったのか,一切不明.
というわけで小生のような単純な人間には多少分かりにくい映画,映画の中では夢の中のシーンや時間の混線も起こるのでなおさら分かりにくい.
期待とはちょっと違ったというのが正直なところ.
★★★(★5個が満点)
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