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2005/11/22

独断的映画感想文:番外 歌舞伎:児雷也豪傑譚話

日記:2005年11月某日
新橋演舞場で,歌舞伎「児雷也豪傑譚話(じらいやごうけつものがたり)」を見る.
原作:河竹黙阿弥.演出:尾上菊五郎.
菊之助,松緑,亀治郎,芝雀.
足利将軍の御代,大蛇の乗り移った大蛇丸は,執権照友に取り入りその養子となって天下に大乱を巻き起こそう魂胆.
その軍勢に攻め滅ぼされた尾形家の嫡子雷丸と,松浦家の綱手姫は,共に大蛇丸に谷底に突き落とされる.
しかし二人は仙素道人に救われ成長し,蝦蟇(がま)の妖術と蛞蝓(なめくじ)の妖術を授かって夫婦となり,敵討ちお家再興の旅に出る.二人は力を合わせ,かつ浪切の剣を入手すれば大蛇丸に勝てるのだと言う….
菊五郎の大胆な演出によるスピーディーで迫力ある舞台が楽しい.
特に大詰めの箱根地獄谷の場は,バックで大小の和太鼓・三味線・笛等のオーケストラがテンポ良く演奏する中,火の精たちと大蛇丸・児雷也.綱手の三つどもえの戦いが縦横に展開され思わず身を乗り出す.
ここで綱手を演じる市川亀治郎のアクション「女優」ぶりが見事,この人のアクションの軽快さは「十二夜」でも証明済みだが(但しこのときは三の線だった)今回も素晴らしい.
中盤の狂言仕立ての場では,菊五郎自ら扮する悪代官夫人のド派手な衣装や彼女が脇腹をつまんで「軽くやばい」と呟くギャグ,アンガールズやヒロシ,波田陽区のギャグを盛り込んだ小ネタが観客席を沸かせる.
蝦蟇の背中から大鷲に乗った児雷也が飛び出し飛翔する宙乗りも,目の前数メートルを通過していって大満足,楽しい四時間であった.
★★★★(★5個が満点)
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» 児雷也豪傑譚話 [古典めざましタイ]
名古屋・京都。やっとこさのお江戸公演。初演は1807年(文化4年)。「児雷也」は、庶民に親しまれていたようで、蝦蟇&蛇&なめくじの三すくみってやつは、錦絵、講談で大〜盛り上がりだったとさ。片岡千恵蔵の映画で御対面した時、ワックワックしちゃいました。”コミック風に視覚的に面白くできる”30年前に復活上演した時からそう思ってたっつう菊五郎。ここまで言われたら、またワックワックしちゃうって。 第一幕大蛇丸(松... [続きを読む]

受信: 2005/11/24 14:48

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