独断的映画感想文:海猫
日記:2005年11月某日
映画「海猫」を見る.
2004年.監督:森田芳光.
伊藤美咲,佐藤浩市,仲村トオル,ミムラ,蒼井優,深水元基,白石加世子.
伊藤美咲主演の悲恋物語,過激な濡れ場つき,というのがこの映画の売り.後者に関しては羊頭狗肉.前者に関してはどう言えば良いんですかね.
予告編等でバレバレだと思うからネタばらしにはならないと思うけど,美貌の娘伊藤美咲が漁師佐藤浩市に嫁ぎ,やがて弟の仲村トオルとも結ばれるという「悲恋」物語.
原作自体がそうなのか,思いこみの激しい物語である.
別の視点から見れば,この「悲恋」はとんでもない魔性の女の物語でしかない.嫁いできたと思ったら兄弟と通じ,後には姉妹であり従姉妹でもある2人の子が残される.
村一番の漁師と信望のあった兄は落ちぶれ,弟は死ぬ.佐藤浩市にも姑の白石加世子にも,同情を禁じ得ない.
伊藤美咲の弟も自立心無く不愉快な人物で,要するにこの姉弟は変な奴らである.到底つき合いたくない.
どうしてこの映画は,伊藤美咲に魅力と輝きを与えることができなかったのだろうか?
原因の一つは伊藤美咲の演技にある.
さして長いとは思えないワンカットの中で,伊藤美咲には落ち着きがない.体も顔も表情も視線も,じっとしているということがないのだ.最初から最後まで,このことが気になって仕方がなかった.
彼女の演技はやはりTV向きと言うことなのだろうか?
映画の冒頭で伊藤美咲の娘が婚約者に,興信所に調べさせた母親の過去をなじられ破談にされる.今時の若者としても,信じ難い対応である.
この3分間のプロローグで引いてしまい,最後までこの映画を好きになれなかった.
★(★5個で満点)
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コメント
結構良かったです!
投稿: 浅部 幸成 | 2006/01/11 17:01