独断的映画感想文:理由
日記:2005年11月某日
映画「理由」を見る.
2004年.監督:大林宣彦.
勝野洋,南田洋子,岸辺一徳,宮崎あおい,伊藤歩,その他大勢.
宮部みゆきの原作は読んでいないが,一風変わった映画である.主人公と言えるほどの中心人物はおらず,無数の関係者の証言で構成される犯罪物語.
荒川区にそびえるツインタワーの高層マンション.
その20階からの飛び降り自殺(?)を住民が発見.警官が駆けつけると当該室には後3人の死体,この部屋の住人砂川家4人殺し事件の発生である.
この部屋に住んでいた筈の小糸家はいつの間にか姿を消し砂川家と入れ替わっていたのだが,マンションの持ち主は石田という男に代わっており,石田が重要参考人として手配される.
物語はこの石田という男が江東区の簡易旅館で見つかったところからスタートするのだが….
映画は無数の証言者が入れ替わり立ち替わり登場して進行し,登場人物はカメラ目線で証言する.画面の切り替えには色調を変えた空と雲が多用され,その中心に聳え続けるツインタワー.人間はこの巨大なツインタワーのために右往左往する,小さな小さな存在のようだ.
大林監督が得意とするコラージュの連続のような映画.
印象深いが,映画として成功なのかどうかはよく分からない.原作を読んだ方が良さそうという感じがする.
★★★(★5個が満点)
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