独断的映画感想文:Uターン
日記:2006年2月某日
映画「Uターン」を見る.
1997年.オリヴァー・ストーン監督.
ショーン・ペン,ジェニファー・ロペス,ニック・ノルティ,ビリー・ボブ・ソーントン,ジョン・ヴォイト,ホアキン・フェニックス,リブ・タイラー.
いやー,良い意味で期待を裏切る映画ですね.
60年代の名車ムスタングに乗って快調に飛ばすボビー,しかし彼はマフィアへの支払いが遅れてリンチを受け,支払いの金を急ぎラスベガスに運ぶ途中なのだ.ところが思いがけず愛車が故障,やむなく立ち寄ったスペリアという街.ここから物語が始まる.
小汚い修理屋に愛車を預け,街に出ると美しい女と行き会う.誘われるままに荷物運びを手伝って女の家に行くと,その夫に踏み込まれ強烈なパンチを見舞われる.ところがその帰り道,追いかけてきた夫は金を出すから妻を殺してくれと言い出す….
そこから先は典型的な不条理劇.
ボビーは思いもかけぬ事件に巻き込まれ有り金を失い,行きずりの女に言い寄られてはその彼氏にぼこぼこにされ,車はぼろぼろにされた上法外な修理費を請求され,男に袋だたきにあうこと・女に騙されること数えきれず,一文無しになってしまうがなお街から出ることが出来ない.
この映画の結末はどうなるのか?
結末は意外なところからやってくるが,気がつけばそれは物語が始まったところで終わる,ということなのだった.味のある映画である.
キャストにも味がある.
ビリー・ボブ・ソーントンとジョン・ヴォイトが誰に扮しているのかを見つけるのも,なかなか興味深い.怪しいのはこの人ってとこまでは判るが,二人とも信じられない怪演である.
リブ・タイラーは端役で台詞は「あら」の一言だが,こちらはその美貌故か,一目で分かります.
カメラワークには多少好き嫌いが出るかも知れませんが,見て損はない映画.
★★★★(★5個が満点)
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