独断的映画感想文:妹
日記:2006年2月某日
映画「妹」を見る.
1974年.監督:藤田敏八.
林隆三,秋吉久美子,伊丹十三,吉田日出子.
フォークグループ・かぐや姫の歌「妹」をモチーフに作られた70年代らしい作品.
秋夫は両親を失い,元食堂だった家を根城に運送業を一人でやっている.
ある晩,鎌倉で同棲中の妹ねりが,出戻って来た.相手の耕三は同じ日に行方不明になって,その家族では騒ぎになっている.
本歌では耕三は秋夫の親友という設定の筈だが,この耕三は最後まで姿も見せずどういう人かも描写されない.
秋吉久美子は可愛いが,こちらもお兄さんが好きっということ以外はほとんど良く分からない人物,というよりあり得ない人物.
同棲相手を殺したかもしれないと口走り,最後には出家して挙げ句に坊主と駆け落ちしたという.
映画の中で片桐夕子が,彼女を「具体性のない美人」と言うがその通りか.
いろいろ変な映画なのだが,実はこのムードこそが70年代日活映画のムードなので,見ていて妙に落ちつくのはそのせいだと思われる.
個人的には見て損はなかったがさて,今の時代に通用するだろうか?
★★★(★5個で満点)
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