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2006/02/20

独断的映画感想文:わが谷は緑なりき

日記:2006年2月某日
映画「わが谷は緑なりき」を見る.
1941年.監督:ジョン・フォード.
ウォルター・ピジョン,モーリン・オハラ,ドナルド・クリスプ,ロディ・マクドウォール.
古き良き時代の映画(と言っても1941年なのだ.この年,日本はこの映画を作った国と,絶望的な戦争を戦うことになる),ジョン・フォードの名作.
ウェールズ地方の炭坑街.不況で賃金は切り下げられ,鉱夫は組合を組織して対抗する.
炭坑住宅は日本のものよりはましだがやはり天井が低く,その狭い住居にモーガン家の親子8人が住んでいる.
末っ子のヒューは皆に愛され頭も良い.そのヒューの成長していく目を通して見る,一家の暮らし.
美しい姉のかなわぬ恋,その不本意な結婚,ヒューの進学といじめっ子との悪戦苦闘.やがて長兄の事故死,そして父親の遭難.
父を救いに,姉の慕う牧師がリフトに乗り込む.牧師に続いてヒューが震えながら乗り込む.その勇気,健気さに心を打たれる.
やがて父を抱いて上がってきたヒューは,もう大人のヒューのようだ.
映画は淡々と喜びも悲しみも描いていくが,過ぎていく時間と人の成長が,すべてを飲み込んでいく.
心に残る名作である.
★★★☆(★5個が満点)
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