独断的映画感想文:ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女
日記:2006年3月某日
映画「ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女」を見る.
2005年.監督:アンドリュー・アダムソン.
ウィリアム・モーズリー,アナ・ポップルウェル,スキャンダー・ケインズ,ジョージー・ヘンリー.
いわずと知れたナルニア国物語の第1作(ということは第7作までやるのかしら).
第2次大戦中のロンドン,ドイツ軍の空襲は激しさを増し,ペベンシー家の子供達4人は,田舎のカーク教授のもとに疎開する.古い屋敷である日かくれんぼをするうち,末っ子のルーシーが衣装戸棚に隠れると,その奥は冬の森に続いていた.
そこは動物や半人半獣の不思議な生き物たちが住む,魔法のナルニア国だった.
ところが今ナルニア国は魔女に支配され,100年の冬が続いている.予言によると人間の4人兄弟が来て魔女の魔法を打ち破るのだという.兄弟4人は予言に導かれるまま,ナルニア国の獅子王アスランに会うことになる….
この原作は薦める人があって第1作だけは読んだのだが,それでお終い.
勧められたのが20代後半でしたからね.現実の方が面白いし大変になってきて,ファンタジーに没入することは出来なかった.
でもこの映画は楽しい.見ていて我を忘れ,子供のように身を乗り出して夢中になってまた見る.
映像が美しく見事,ハリー・グレッグソン=ウィリアムズの音楽も素晴らしい.
評を見るとLOTR(ロード・オブ・ザ・リング)の方が恐怖や無情を描いて良かった,こっちはガキ向きだ等という批判が見られるが,少なくとも見ている間は全く気にならない.
なぜなら見ている僕がガキになっているからである.
ガキに戻った僕は,次男エドマンドの狡さに我が身を思い出して胸を痛め,天真爛漫なルーシーの活躍にこんな妹が欲しかったことを思い出す.
そういう気持ちを思い出させてくれるこの映画の素晴らしさは,かけがえがない.
最後まで一気に見る映画,見て損は無し.
★★★★(★5個が満点)
但し僕もちょっとだけ余計なことを言います.
ルーシーの出会った半人半獣のフォーンがルーシーを誘って,「イワシの缶詰をごちそうしよう」と言うのだが,ナルニア国のどこかにイワシ缶詰工場があるのだろうか?
まああっても良いけど,イメージがちょっと崩れるなあ.資本主義の匂いがするぞ.
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