独断的映画感想文:ドミノ
日記:2006年5月某日
映画「ドミノ」を見る.
2005年.監督:トニー・スコット.
キーラ・ナイトレイ,ミッキー・ローク,ルーシー・リュー,クリストファー・ウォーケン,ジャクリーン・ビセット,デルロイ・リンドー.
映画が始まると,取調室で手錠姿,傷だらけの女ドミノが,タバコをくゆらしている.FBIの取調官タリンが,淡々と質問をしていく.ドミノは自分の少女時代から,回想し始める….
物語は実話に基づいている.
ドミノ・ハーヴェイは名優ローレンス・ハーヴェイの娘である.5歳の時に父を亡くしたが,ハリウッドの上流の暮らしに飽きたらず,15歳でモデルになり,更に20歳の時にバウンティ・ハンターの世界に飛び込む.
アメリカには保釈保証人というのがいて,保釈金を手数料を取って保釈される人に貸すのだが,その人が逃亡した場合保釈金は没収される.そこで保釈保証人は賞金を掛けて,逃亡者を連れ戻すよう依頼する.その依頼先がバウンティ・ハンター,日本では賞金稼ぎと訳される.
ドミノはこの業界での師匠格エド,その相棒チョコ,運転手のアフガン人アルフと組み,その美貌と才覚でめきめき頭角を現していく.
ところが,役所の情報取りを担当している保釈保証人クレアモントのグループが,仲間の娘の治療費を稼ぐため企んだ現金輸送車の保険金詐欺が,思わぬ手違いから別のマフィアを巻き込み,その犯人逮捕を担当したドミノ達はマフィアに命を狙われるピンチに陥る.
この空前のピンチは突破できるのか?
CM出身の監督らしく,映像は斬新でスリリング.映像は赤みがかった(コダカラーの色をもっと派手にしたような)色調で,コマ落とし,高速撮影,重ね合わせを多用した目の眩むようなもの,僕の年齢にとってはけたたましいとさえ感じる.
そこに乗せられるロックのリズム,展開はスピーディーでテンポが良い.
時折差し挟まれる静かな場面の印象が,逆に心に残る.特に,ドミノがずっと愛していてくれたチョコと結ばれる砂漠の場面は,美しく哀切である.
映画は時に意味不明のところもあるが(特に砂漠に突然現れた牧師は,何だったんだろうか?),そんなことを吹き飛ばす映画のエネルギーに,圧倒される.
キーラ・ナイトレイが美しい.カリビアン・パイレーツやキング・アーサーのお姫様なんぞ役不足.ミッキー・ロークが身体を絞りマッチョになってのエド役はなかなかのもの.
見て損はない映画,★★★★(★5個が満点)
なお,映画の最後に本人,ドミノ・ハーヴェイが顔を出している.笑顔の美しい魅力的な女性.しかしこの人は映画公開直前に自宅で亡くなったという.
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