独断的映画感想文:クローサー
日記:2006年7月某日
映画「クローサー」を見る.
2004年.監督:マイク・ニコルズ.
ジュリア・ロバーツ,ジュード・ロウ,ナタリー・ポートマン,クライヴ・オーウェン.
ロンドンの新聞で死亡記事欄担当の記者ダンは,売れない作家志望.街で事故にあったアリスと知り合い深い仲に.アリスはN.Y.からやってきたと言う.
やがて自作の本を出すことになったダンはポートレイトを撮りに写真家アンナのもとを訪れる.アンナに強く惹かれるダン,しかしアンナは相手にしない.
ダンはチャットでアンナを名乗って男を引っかけ,水族館で待ち合わせる約束をする.それに引っかかって水族館にやってきたラリーは,居合わせた本物のアンナを恋する様になる….
このように出会った2組の男女が,カップルが入れ替わったり破綻したり復縁したり,その顛末を語るラブ・ストーリー.
どうにも息苦しい映画だというのが率直な印象.
というのは登場人物はほぼこの4人の男女,殆どのシーンは4人の会話から構成され,まるで舞台劇の様なのだ(と思ったら,本当にこれは舞台劇がもとなのだった).
冒頭に書いた設定も相当に無理な設定だと思うし,彼らの恋愛がこんがらかるそもそもの原因はダンのアンナへの思いとアンナの恋愛遍歴なのだが,これがどうにもよく分からん.
アンナはラリーのことを大して好きだとも思えないのに結婚したらしいし,ダンに迫られたらあっさりと夫を裏切っているらしい.
らしいと書いているのはそれを示す映像(結婚式とか不倫の現場とか)は一切なく,その事実は彼らの会話の中で触れられるだけだからである.時間の経過も会話の中で1年経ったとか言っているのでそうかと思うだけ,映像的には次のシーンが一年後なのか翌日なのかは定かでない.
こういうわけで,舞台劇ならそれなりに受け入れるかも知れない展開でも,そのまんま映画でやられると,訳が分からないし息苦しい結果となる様だ.
舞台でもこれをやったというクライヴ・オーエン,それとナタリー・ポートマンが出来が良いが(アカデミー賞ノミネート),それ以外はもうひとつな映画.
★★(★5個が満点)
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コメント
TB、感謝です♪
この映画は単純な色恋沙汰ではなく、ある意味サスペンスでしたね。
アリス役のナタリー・ポートマンが実に素晴らしい演技をみせてくれました。
色恋の方も、昔の自分のアホさ加減が二重映しに見えて来るようで、
とてもスリリングでしたよ(苦笑)。
投稿: カゴメ | 2006/07/23 09:27