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2006/07/20

独断的映画感想文:エヴァの匂い

日記:2006年7月某日
映画「エヴァの匂い」を見る.
1962年.監督:ジョセフ・ロージー.
ジャンヌ・モロー,スタンリー・ベイカー,ヴィルナ・リージ.
ウェールズの炭坑夫出身のタイヴィアンは,ベストセラー小説が映画化され一躍ヴェニス社交界の寵児となる.婚約者の女優フランチェスカは彼を深く愛しているが,タイヴィアンは嵐の夜に知り合った魔性の女,エヴァの虜になった….
いわゆる悪女もの,みすみす身を滅ぼしていく男を描く.
このタイヴィアンとエヴァの出会いが凄い.
嵐の夜のヴェニス,ボートの舵が壊れたと言って男が最寄りの船着き場に船を寄せ,上がった家の窓を壊して侵入する.続いて上陸したエヴァは男に荷物を運ばせ,その他人の家で悠然と持ってきたレコードをかけ,浴室を使う.やがて帰宅したタイヴィアンは,エヴァを見て男を叩き出し,ベッドの彼女に迫るが,エヴァに灰皿(?)で殴られ昏倒する.
こういう設定って今時の映画にはありませんな.
浮世離れした夢の様な設定.しかしこういう設定なればこそ,女がどういう女で男がどういう男かが,ありありと判る.
ジャンヌ・モローはご承知の通り美人ではない.身体が見事なわけでもない.この時34歳の彼女は,しかしその仕草,笑い方,冷然とした表情で,男を手玉に取る魔性の女を見事に表現している.
男は男で秘密を持っている.
勝ち得た巨万の富,社交界の地位にも拘わらず,男にはどこか不安がある.その婚約者にも話さない不安を,この悪女エヴァだけには打ち明けてしまう男.
最終局面で,破滅する男を冷然と見るエヴァ,その後ろに映る「楽園追放」の絵が印象的だった.
ミッシェル・ルグランのジャズも素敵.一見の価値あり.
★★★☆(★5個が満点)
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