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2006/07/02

独断的映画感想文:そして、ひと粒のひかり

日記:2006年7月某日
映画「そして,一粒のひかり」を見る.
2004年.監督:ジョシュア・マーストン.
カタリーナ・サンディノ・モレノ,ギリエド・ロペス,パトリシア・ラエ.
コロンビアの山村の花卉工場で働く17歳のマリアは主任と衝突して首になる.
マリアは同時に妊娠に気付くが,相手と結婚する気はなかった.
ダンスで知り合ったフランクリンの誘いで,マリアはヤクの運び屋を引き受けることになる.
24時間の絶食の後62粒のヤクのカプセルを飲み込むマリア,友人のブランカ,ルーシーと共に飛行機に乗るが,マリアは税関で運び屋の疑いを掛けられる.幸か不幸か妊娠していたためX線検査を受けられず釈放された彼女は,皆と共にホテルに缶詰になりカプセルの回収を行うが,ルーシーはカプセルが破裂したため命を落とす.
ルーシーの死体を始末しに一味の男が出かけた隙に,恐怖に駆られたマリア達はヤクを持ってホテルから逃げ出す….
圧倒的な貧困に苦しむコロンビアの人々と,目も眩む様な密輸の報酬,その中に生きるマリアの一本筋の通った行動がこの映画の魅力であろう.
受け取った報酬の少なからぬ部分を投じて胎児の超音波検査を受けるマリア,健康な胎児の映像を見てその心音を聞く彼女の表情は,自立した大人の女の顔だ.
ルーシーの姉からアメリカで暮らすことを決めた理由を聞き,映画の最後に彼女はある決断をするのだが,それもこの胎児の将来と関わる決断なのだろう.
映画はこのようにマリアの数奇な運命を描くだけでなく,彼女の自立していく過程を描いている.そのマリアの人物像が最大の魅力.主演女優カタリーナ・サンディノ・モレノが素晴らしい.
★★★★(★5個が満点)
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受信: 2006/07/26 16:46

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