独断的映画感想文:花よりもなほ
日記:2006年11月某日
映画「花よりもなほ」を見る.
2006年.監督:是枝裕和.
岡田准一,宮沢りえ,香川照之,古田新太,浅野忠信,田畑智子,その他お笑い連中.
時は元禄,浅野内匠頭の刃傷後仇討ちを果たさない赤穂の浪人に,巷の風当たりは強い.
青木宗左右衛門は剣術の道場主であった父が碁の諍いから斬られて死んだため,仇討ちを果たすべく3年前に江戸に出てきて長屋住まい.同じ長屋の貞四郎は,敵の人相書に似た人物を捜し出してきては宗左右衛門から駄賃を稼いでいる.
宗左右衛門は足は速いが剣術はからっきし弱く,敵の討てるめどは立たない.敵は実は近くに住み,士分を離れて妻子を養っていることも判っている.
このままではどうにもならない宗左右衛門だが,自宅で寺子屋を開き子供を教えているうちに考えも変わってきた模様,やがて考えついた奇想天外な策は….
楽しい時代人情劇というのは,久しぶりである.
一方で長屋暮らしのリアルさはなかなかのものだが(黒沢映画の「赤ひげ」を思い出す様な),他方コメディの抜ける様な楽天性が優れていて,このバランスが何とも言えない.
ほのぼのと温かいテンポの良いドラマが楽しめる.
その他お笑い連中の活躍も見てのお楽しみ.こういう映画は好きである.
俳優では古田新太が最高.宮沢りえは言うに及ばず.
★★★★(★5個が満点)
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