独断的映画感想文:嫌われ松子の一生
日記:2006年11月某日
映画「嫌われ松子の一生」を見る.
2006年.監督:中島哲也.
中谷美紀,瑛太,伊勢谷友介,香川照之,市川実日子,黒沢あすか,柄本明,柴咲コウ,ゴリその他大勢.
何とも大変な映画である.
芸達者の俳優をきら星の様に使い,凝りに凝った音楽とCGで作り込んだ素敵な音楽映画.オペレッタという名称が一番近いだろうか.
昭和22年福岡県に生まれた川尻松子,歌が上手で明るい中学教師だった彼女の,ふとした事件をきっかけに教師をクビになり,家を飛び出し,売れない作家と同棲して作家は自殺,そのライバルの作家の愛人となって捨てられ,ソープ嬢になり,そこをクビになり,拾われた男が若い子に乗り換えたため男を殺害…という壮絶な生涯を描く.
松子の一生は転落の一途なのだが,映画は明るく楽しい.特に魅力的なのは音楽シーンだろう.
磐井デパートの屋上のシーン,舞台で3人娘の歌謡ショーが繰り広げられる中,兄を呼び出し金の無心をする松子.作家との同棲生活を聞かれ「幸せよ」と答える松子の台詞にかぶせて「うそ,うそ,うそ」と唄のリフレインが響く.
こういう映画の楽しさは,「ムーラン・ルージュ」や「シカゴ」にも似たところがある.豪華な配役がどこで誰の役で出てくるかというのも,楽しみの1つ.
★★★☆(★5個が満点)
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コメント
TBありがとうございました。
ご覧になりましたか。いやあ楽しい映画でしたね。「オペレッタ」という表現は確かにぴったりかも知れません。
僕の中の中谷美紀のイメージは長いこと「リング」の幽霊のような顔でした。その後だんだん幽霊のイメージは薄れていきましたが、この映画で一変しましたね。いやはやすごい女優です。同年代では柴咲コウと双璧ですな。
売れっ子なのでつまらない映画にも出ていますが、ぴたりとはまればとてつもない傑作になります。今後の活躍にも期待大です。
投稿: ゴブリン | 2006/11/28 22:06
TB、感謝です!!
「ムーラン・ルージュ」も「シカゴ」もまだ未観なのが悔やまれます。
その内、是非、観てみたいですなぁぁ。
今作は、新しい邦画の隆盛期を予感させてとても嬉しくなったです。
「かもめ食堂」といい、これといい、良い作品が出て来るようになったなぁぁ…。
投稿: カゴメ | 2006/12/12 13:02