独断的映画感想文:ニュー・ワールド
日記:2006年12月某日
映画「ニュー・ワールド」を見る.
2005年.監督:テレンス・マリック.
コリン・ファレル,クォリアンカ・キルヒャー,クリスチャン・ベール,クリストファー・プラマー.
1607年,ヴァージニア入植地に着いたイングランドの移民達.
乗員の中で囚人だったスミス大尉は,ニューポート船長の命令で現地人の王に交易を求める使者として奥地に向かう.捕らえられたスミスは殺されそうになるが,王女ポカホンタスの命乞いで救われ,集落に滞在することになる.
やがて二人は恋に落ちるが,春になったら立ち退くようにとの王の命令を持って,スミスは入植地の砦に戻る.折しも飢えに襲われていた入植地は,スミスをリーダーに選出し,その冬はポカホンタスからの食料援助もあって辛うじて越すことができた.
しかし春になっても立ち退かない入植者と原住民は衝突,入植者に食料と作物の種を与えていたポカホンタスは王に勘当される.スミスは失脚し,入植者はポカホンタスを捕らえ人質とした….
「シン・レッド・ライン」の監督テレンス・スタンプのこの作品は,前作同様美しい自然描写を多用した,独白中心の詩の様な作品.いささか冗長だが,ポカホンタスの魅力に惹かれて最後まで見た.
「ニュー・ワールド」というが,この映画はポカホンタスの生と死の記録と言った方がよい.スミスの視点を中心とした導入部はむしろ退屈である.
映画はポカホンタス伝説を詩的に描いたおとぎ話と言うべきだろう.クォリアンカ・キルヒャーにはその魅力がある.コリン・ファレルよりはクリスチャン・ベールの方が遙かに素敵.
ポカホンタス伝説は,アメリカ建国時のイギリス人にとって美しいロマンスであり,実際の彼女は聡明ではあったろうが,むしろ歴史に翻弄された存在であったと思われる.
★★★☆(★5個が満点)
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