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2006/12/07

独断的映画感想文:PROMISE

日記:2006年12月某日
映画「PROMISE」を見る.
2005年.監督:チェン・カイコー.
真田広之,チャン・ドンゴン,セシリア・チャン,ニコラス・ツェー.
とある国の昔の物語.
戦場で孤児となった傾城の前に女神が現れ,衣食に不自由なく皆にかしずかれる一生を送れる代わりに,真実の愛は得られないという誓いを受け入れるかと聞く.幼い傾城はその誓いを受け入れる.
20年後,比類なき武勇の将軍光明は,ある戦いで超人的な走力を持つ雪国出身の男昆崙を奴隷として得る.折しも傾城を妃とした国王の城を,無歓公爵が包囲し,光明将軍は救援のために単騎昆崙を連れて赴くことになった.これより傾城を巡る光明将軍,昆崙,無歓公爵の運命に操られた戦いが始まることになる….
チェン・カイコー監督の大叙事詩ファンタジーだが,僕にとってはいささか奇妙な味の映画だった.
このアジアンファンタジーはまず荒唐無稽であるのは当然なのだが,荒唐無稽さは(少なくとも前半では)かなり漫画チックである.「少林サッカー」は予告編しか見たことがないが,あの感じに近いのじゃないかと思わせる.
CGの使い方も夢幻的と言うよりは漫画的.
映像も「HERO」や「LOVERS」のような美しさは期待できない.
しかし黒衣の刺客鬼狼が登場し,主人公4人の物語が本格的になるあたりから,次第に映画に引き込まれる.
俳優では無歓公爵を演じたニコラス・ツェーが良い.只の無慈悲な貴族ではなく,この男も運命に操られる一人だったということが見えてくると,その魅力が引き立ってくる.
この映画は,制作側の意図とプロモーション側の意図が微妙にずれた印象を与える映画だ.両者が綱引きをした結果がこの映画なのかも知れない.その辺がちょっと惜しい映画.
★★☆(★5個が満点)
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コメント

ほんやら堂さん こんばんは
僕は冒頭のチャン・ドンゴンが四つんばいで牛を追い抜いてゆくあまりに馬鹿げたCGで引いてしまいました。この映画のCGの使い方は「HERO」「LOVERS」なんかに比べたらどうしようもないひどいレベルですね。

ただご指摘のように中盤から後半のドラマはなかなか見せます。真田広之とニコラス・ツェーも好演していました。それだけにCGの情けなさが残念です。チャン・イーモウもチェン・カイコーもこの「豪華絢爛路線」を早く卒業して欲しいと思わざるを得ません。

投稿: ゴブリン | 2006/12/17 23:27

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