独断的映画感想文:インサイド・マン
日記:2007年1月某日
映画「インサイド・マン」を見る.
2006年.監督:スパイク・リー.
デンゼル・ワシントン,クライブ・オーエン,ジョディ・フォスター,クリストファー・プラマー,ウィレム・デフォー.
最初にクライブ・オーエンがアップで映って,観客に謎々を出す.閉ざされた空間にいるけど刑務所じゃない等と言う.
映画が始まると車で飛ばす覆面4人組,マンハッタン信託銀行に横付けすると,ペンキ職人を装ってどんどん入っていく.そしてあっと言う間のホールド・アップ,手際よく人質をとりまとめ全員に同じパーカーと覆面をつけさせる.無論犯人も同じ格好に着替える.
という訳で誰が犯人で誰が人質やら誰にも判らない.犯人はジャンボジェットでの逃亡を要求して立て籠もる.
一方警察は交渉人に2人の黒人刑事を送り込み,事件の解決を図る.
ところが犯人もなかなかの頭脳派,そもそも犯人の目的が良く分からない.膠着状態に陥ったかに見えたとき,犯人は人質の一人を公然と射殺する.交渉人は降ろされ警察は強行突破を決意,SWATが突入するのだが….
そうそうたるキャストである.スパイク・リー監督である.その割にはこのだるい展開はどうしたのでしょう.
どうもこの映画は理が先に立っているような気がする.
この後警察は人質と犯人の区別がつかずみすみす全員を釈放せざるを得なくなる.おまけに開けっ放しの金庫からは全く金は盗まれておらず,残された銃はモデルガン.一体犯人は何が目的だったのか?
映画はこの謎を解いてみせるのに夢中であるが,どうも話しが理が先に立って説明的なのだ.
この映画に決定的に欠けているのは「パッション」ではないか.感情を揺さぶる何かが,この映画には欠けているように思える.
終わってみれば全ては説明されへーと感心する結末にはなっているんだけど,何というか気の抜けたコーラを飲んだというか,生ぬるいビールを飲んだというか,のびた蕎麦を食べたというか,一昨日のわさびを使ったというか(もう止めます).
惜しいってとこで★★★(★5個が満点)
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