独断的映画感想文:リトル・ランナー
日記:2007年は4月某日
映画「リトル・ランナー」を見る.
2004年.監督:マイケル・マッゴーワン.
アダム・ブッチャー,キャンベル・スコット,ゴードン・ピンセント,タマラ・ホープ,ジェニファー・ティリー.
1950年代のカナダ,ラルフ・ウォーカーはカトリック学校に通う中学生である.
父は大戦で戦死,母は末期ガンで入院中という状況で,ラルフは家財の売り食い生活でしのいでいる.ラルフは普通よりちょっとエッチで夢見がちな中学生,タバコは吸うし校則は破る.厳格な校長は彼を目の敵にしている.
ところがある日,彼の母親は昏睡状態に陥る.看護婦のアリスは,この昏睡から醒めるには奇跡が必要だという.
たまたま参加したクロスカントリークラブで,ボストンマラソンへの挑戦のことを聞いたラルフは,これに勝利することが「奇跡」の実現と信じ,猛然とマラソンの訓練に取り組む.
元マラソンランナーで無政府主義者(?)ヒバート神父の指導を受けボストンマラソンを目指すラルフだが,その結果や如何に?….というファンタジー的映画.
この映画のポイントの一つはリズムの良さだろう.
若いラルフが何かをしでかす,走る,母親の病室で神妙にしている,校長に怒られる,場面の切り替わりとラルフの行動のテンポが,軽快で心地よい.それに何と言っても走るラルフのシーンの繰り返しが,特に後半興奮を盛り上げクライマックスにつなげていく.
映画はとにかく細かいエピソードが次から次に起こり,あれよあれよという間にボストンマラソンのシーンになる.楽しくてちょっと切なくて,夢のようなエンディングという,あり得べき映画の姿が好ましい.
意外なところで意外な姿で登場する「神様」のラルフへの応援も,なかなか楽しい.
★★★☆(★5個が満点)
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