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2007/04/05

独断的映画感想文:ブロークン・フラワーズ

日記:2007年は3月某日
映画「ブロークン・フラワーズ」を見る.
2005年.監督:ジム・ジャームッシュ.
ビル・マーレイ,ジェフリー・ライト,シャロン・ストーン,フランセス・コンロイ,ジェシカ・ラング,ティルダ・ウィンストン.
賑やかにこども達が遊んでいる住宅に郵便配達夫が通りかかる.配達夫がてくてく歩いてその隣の家に郵便物を放り込むが,こちらは豪華だが打って変わって静まりかえった家だ.
その家の豪華な部屋のソファに座っている無表情な男,ドン・ジョンストン.折しも彼のパートナー・シェリーが荷物をまとめて出て行くところだ.
引き留めるでもなく見送るジョン,郵便物に気付いて拾い上げるとピンクの封筒がまじっている.差出人のないその手紙は,20年前に別れた恋人からの19歳の息子がいると告げた手紙だった.
そのことを聞きつけた隣人のウィンストンは,彼の20年前の恋人をリストアップさせると,何とその4人の元カノの家と1人の故人のお墓を巡る航空チケット,レンタ・カー,モーテル等をセットしたツアーを組み,おまけに地図とエチオピア音楽のCDまでつけ,渋るドンを送り出す.こうして始まるロード・ムービー.
古い友人を訪ねるという点では「舞踏会の手帳」を思い出す(古過ぎか?1937年.監督:ジュリアン・デュヴィヴィエ)し,おじさんのロード・ムービーとしては「アバウト・シュミット」を思い出す.
ところで最初に訪れたローラは,夫を既に亡くし彼を歓迎してくれる.朝は彼女のベッドで迎えたという訳で,ローラは該当者ではないらしいが幸先は良い.ところがその次のドーラからは少し雲行きが怪しくなり,カルメンには冷たく追い出され,最後のペニーに至っては….
殆ど無表情のビル・マーレイが味わう,人生黄昏の切なさ.女には突き放され,街で見かける青年は皆自分の息子ではないかしらと呆然とたたずむ終局が哀れである.
「アバウト・シュミット」と似ているのは,どちらの主人公も事ここに至っても自分への反省がほとんど無いということではないかしら.こういう風には成りたくないという状況を見せつけられるという点で,考えさせられる映画である.
しかしこの無表情の認知症か鬱病のなりかけではないかと思われるドンが,かってはプレイボーイだったなんて,にわかには信じ難いことである.一体どういう顔で女を口説いていたのか.
好き嫌いから言うと,あまり好きになれなかった映画.でも映画らしい映画.
★★★☆(★5個が満点)
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コメント

TBありがとうございましたm(__)m

ビル・マーレーの独特の世界がこの映画にはありました。彼はスクリーンの中でただ立っているだけでも、なんだか笑えてしまいます(笑)
希少価値のある俳優さんですね^^
最近、gooの具合が悪いようでなかなかTBが反映されません。調査を依頼しているのですが返答がないままです。特に『ホリデイ』は全くダメなようです><
というわけでURL置いていきますm(__)mhttp://blog.goo.ne.jp/cyaz/e/5745b9c6c99485fa7c6c6f67ed1b7570

投稿: cyaz | 2007/04/10 08:37

TB行きました~~~って表示は出るんですけど、どうもこちらへは到着しないで
どっかへ飛んで行ってしまってるようですね。(「ヴァイブレータ」も同様に)

私のHNのURLに当該記事貼り付けて持参いたしました。
かなり、好きでない映画だったもんですから、けっこう(いつもかしら?(笑))
吼えてます。

ほんやら堂さんも、モロテを上げてホメてはいらっしゃらない、男性陣としては
貴重なレヴューとお見受けしまして(実は)喜び勇んで、コメントしている次第でございます。^^

投稿: viva jiji | 2007/12/10 07:41

viva jiji様,いらっしゃいませ

残念ながらTBは届いておりませんでした.ところで,

「ブロークン・フラワーズ」をくさしたことが,このようなコメントを頂けることにつながったとは,光栄の至りであります.^^

ところでviva jiji様のレビューを精読して吃驚.
「男性ダンダラ天敵ファッションその2っ」として「おっさんのGパン姿」と明記してあるではありませんか(汗).

小生残念ながらGパンを履くおっさんです.

ジャージとGパンとステテコを否定されるとなると,おっさんの着るものとしてはチノパンか海水パンツくらいしかないのではないでしょうか?

投稿: ほんやら堂 | 2007/12/10 21:34

申し訳ございません・・・(--)^^
言いたい放題、このように(気に入らない映画の場合は特に顕著に)毎回ブチかましておるのでHDDがブッ壊れた、とまで言われている私な
もので・・・。(笑)

いいえ、いいえ、滅相もございません。
きっと、素敵なほんやら堂さんですもの、渋めにジーンズを履きこなしていらっしゃる
ことと私、マイナス3度の札幌の彼方よりご想像申し上げておりますです、はい。(ペコリ)!

投稿: viva jiji | 2007/12/11 19:00

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