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2007/05/21

独断的映画感想文:フラガール

日記:2007年5月某日
映画「フラガール」を見る.
2006年.監督:李相日.
松雪泰子,豊川悦司,蒼井優,山崎静代,岸部一徳,富司純子.
1960年代,石炭の時代が終わる頃,常磐炭坑でも閉山と人員整理が進行し,組合と会社側は激しく対立している.
会社は湧き出る温泉を使ったレジャー施設を計画,その施設「常磐ハワイアンセンター」で踊るフラダンサーを,炭鉱労働者の子女から募集する.
親友の早苗に誘われ説明会に来た紀美子,しかしヘソ出しルックで踊ると知って残った応募者はたったの4人だった.
一方教師として雇われた元SKDの平山まどかは気の短い情熱家,たった3ヶ月で素人を仕込んで欲しいと聞き,やる気がいまいち出ない.生徒と教師の気持ちがすれ違ったまま練習が始まる.紀美子の母親は娘のダンサー志望に猛反対,紀美子は家出をする羽目になる….
こうしてスタートする初代フラダンサー達のサクセスストーリー.
すすけた炭住の息を呑む俯瞰図が印象的だ.その中から集まってきた少女達が必死に練習に励む.
炭鉱労働者のプライドを持って生きているために,その少女達を敵視せざるを得ない大人達.最初は反対しながら,娘の猛練習見事な踊りを見て,ついには娘の側に立つ母親.
映画はその一人一人に温かい視線を注ぐ.
極めてオーソドックスな(べたとも言う)展開ながら丁寧な作りで,きっちり泣かせる映画である.
中盤,解雇された父親がダンサーの娘を張り飛ばしたのにぶち切れ,まどかが男風呂に殴り込み,風呂桶に飛び込んで父親の首を締め上げるシーンの痛快さ.落盤事故で父親が遭難したと聞きながら,大きな身体を縮めてぽろぽろと涙をこぼして「わたし踊る」と言う小百合(南海キャンディーズの静ちゃん)の健気さ.
そして最後のダンスシーン,すすけた炭住と対照的な,目を見張る明るい衣装の踊り子達が素晴らしい.蒼井優のソロシーンも凄いが,全員のかけ声と一致した動きがここまでの道を思い起こさせる群舞シーンも素敵.
見て損はなし.
★★★★(★5個が満点)
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コメント

TBありがとうございましたm(__)m
相変わらずTB返しが出来ないようなので、コメントだけ。

地味ながら一つの時代を生き抜く姿と、彼女たちのフラに
かけた意気込みが伝わってくる映画でした。
脇の役者たちもしっかりとサポートしていて、“昭和”を
描く姿は先の『ALWAYS~』と甲乙つけがたい映画でした!

投稿: cyaz | 2007/05/22 08:22

cyazさん,コメント有り難うございました.
不思議なことに,僕のコメントもcyazさんのblogには受け付けてもらえません.
この映画は「ウォーター・ボーイズ」より「スィング・ガールズ」よりずっと良いと思います.
静ちゃんは見ているだけでうれしくなる,なぜだか判らないけど好きです.
今後ともよろしく.

投稿: ほんやら堂 | 2007/05/24 21:58

TB有難うございました。
例によってURL作戦です。

http://okapi.at.webry.info/200706/article_24.html

ベタというのは【オーソドックス】という意味ですか。私はベタベタなお話だからベタというのかと思っていました(嘘です)。
なかなか巧いと思います。私は構成やカメラワークと言った技術面と内容との絡みで評価するのですが、上出来でした。

投稿: オカピー | 2007/06/24 17:25

ほんやら堂さん、お邪魔します♪♪♪

>極めてオーソドックスな(べたとも言う)展開ながら丁寧な作りで,きっちり泣かせる映画である.

確かにベタですね(笑)。どーにもならんくらいベタなんですが、
最後の最後に蒼井優嬢の素晴らしい踊りが全てを中和してくれますね。
あと25歳若かったら確実に恋に落ちてますよ(無駄だけど。笑)。

投稿: カゴメ | 2007/07/16 16:17

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