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2007/07/19

独断的映画感想文:黄昏

日記:2007年7月某日
映画「黄昏」を見る.
018
1981年.監督:マーク・ライデル.音楽:デイヴ・グルーシン.
ヘンリー・フォンダ,キャサリン・ヘプバーン,ジェーン・フォンダ.
ニューイングランドのゴールデン・ポンドと呼ばれる別荘地.引退した教授ノーマンと妻エセルがやってくる.ノーマンの80歳の誕生日をここで祝おうという夫妻,疎遠だった娘チェルシーが婚約者とその子供を連れてやってくるという.
ノーマンは物忘れが進み,別荘付近のなじみの道を見失うこともある.それでも毒舌家の人格は変わることがなく,心得たエセルとやり合いながら別荘暮らしを楽しんでいる.
やがてやってきたチェルシー達は,ノーマンの誕生日を共に祝った後,息子ビリーを預け,ヨーロッパに結婚旅行に旅立つ.ノーマンは70歳近く年の離れたビリーにとまどいながら,やがて釣りを共にすることによりうち解けていく….
親子の和解と人生の黄昏を描く秀作.
この映画のポイントはいくつかある.
一つは実人生でも不仲だったジェーンとヘンリーのフォンダ親子がこの映画で和解したということ(らしい).一つはヘンリー・フォンダとキャサリン・ヘプバーンがこの映画で共にオスカーを取ったということ.もう一つはベトナム戦争が終わり,アメリカが一息ついた時期にこの映画は撮られたということ.
ニューイングランドの夏から秋にかけた風景描写が美しい.
その中で親子の葛藤と和解が描かれる.
一人娘のチェルシーに対し,ノーマンは息子に対するような育て方をしたらしい.チェルシーはそれに応えるべく努力をしたが,常に父に認められなかったという意識を持った.そのことが大人になった今も,チェルシーを苦しめている.
しかし一夏を共に過ごして意気投合しているビリーとノーマンを見て,チェルシーの意識が徐々に変わっていくようだ.
そのあたりのヘンリー・フォンダの演技は素晴らしい.名演なのかそのまんまなのか判然としないほど.
この映画のもう一つのポイントは,エピローグにある.
チェルシー等が去り,二人になった後突然訪れる死の影.老夫婦がその死の影をどう受け入れるかも味わい深い.
年を取りやがては死に至る.その誰にもやってくる状況に改めて感動するのは,年のせいもあるかも知れない.
★★★★(★5個が満点)
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