独断的映画感想文:ブラック・ダリア
日記:2007年7月某日
映画「ブラック・ダリア」を見る.
2006年.監督:ブライアン・デ・パルマ.
ジョシュ・ハートネット,アーロン・エッカート,スカーレット・ヨハンソン,ヒラリー・スワンク.
ジェームズ・エルロイの同名小説の映画化.小説は現実に起きた猟奇殺人事件をもとにしている.
同じロス市警の刑事,先輩のリーと後輩のバッキーは共に元ボクサー,警察予算獲得のためのチャリティー試合で「Mr.アイス」と「Mr.ファイア」として戦った二人はそれを機に親友となり,リーの同棲相手ケイと3人で行動を共にするようになる.
強盗と少女暴行を繰り返す凶悪犯を追っていた彼らの事件現場近くで,胴を切断され口を引き裂かれた女性の全裸惨殺死体が発見される.リーはこの猟奇事件に異常な執念を示して取り組むのだった.
被害者ベティの関係者としてやがて大富豪の娘マデリンが浮かび上がってくる.バッキーは男漁りで名高いこのマデリンと付き合うようになる….
事件の闇は深く,リーとバッキー,ケイとマデリンの互いの関係は一筋縄では行かない.
この映画の独特の色調,闇と光の使い方は嫌いではない.しかし,それにしても話が複雑すぎる.その複雑な話の解決編が,腐敗しきった変質的な人々の悪行に全て帰すというのは,腑に落ちない結論であった.
俳優ではスカーレット・ヨハンソンが良くない.この人はやはりアメリカの鈴木紗理奈ではないだろうか.ヒラリー・スワンクは良かった.このマデリンという人物の独特の美しさ・醜さを充分に表現していたと思う.
印象に残る映画だが,後味はあまり良くなかった.複雑な筋に引き回されたという感じだろうか.
★★★(★5個が満点)
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