独断的映画感想文:007/カジノ・ロワイアル
日記:2007年8月某日
映画「007/カジノ・ロワイアル」を見る.
2006年.監督:マーティン・キャンベル.
ダニエル・クレイグ,エヴァ・グリーン,マッツ・ミケルセン,ジュディ・ディンチ,ジェフリー・ライト,ジャンカルロ・ジャンニーニ.
第1作からすでに45年を経てなおシリーズの続くスパイアクション映画.ゴルゴ13もそうだけど,どうしてこんなに長く続くのだろう.
抜群の働きで“00”ナンバーのエージェントに昇格したボンドは,テロ組織の資金を預かり運用するル・シッフルを追い,株の暴落を狙ってル・シッフルが仕掛けた新型航空機の爆破テロの阻止に成功する.
このため逆に大量の運用損を出したル・シッフルは,モンテネグロのカジノ・ロワイアルでのギャンブルで起死回生をはかる.
財務省の美人職員ヴェスパー・リンドは国家予算1500万ドルを持参しボンドに合流,ル・シッフルの野望阻止に向けた作戦が開始される….
原作を読んだのももう40年ほど前だからはっきり覚えてはいないが,原作のハイライト・ギャンブルシーンは,ポーカーではなくコントラクト・ブリッジだった筈.
最期の勝負で,ル・シッフルの手元にはエース,キング等のすさまじいカードが揃う.絶対の自信を持ってすべての資金をかけ勝負するル・シッフル,一方ボンドの手札はいかにも非力なカードばかり.ところが一旦ボンドが主導権を取ると,その非力なカードの組み合わせは2度とル・シッフルに主導権を取らせない絶妙の組み合わせになっている.
巧妙な罠,その回のカードすべてを,ボンドは仕込みカードにすり替えたのだ.
このサスペンスフルな展開は,コントラクト・ブリッジのルールを知らない人には,いささか判り難いだろう.というわけで映画ではボンドとル・シッフルはポーカーで戦うことになる.
映画はすさまじいアクションとどんでん返しに次ぐどんでん返し,144分の長さはいささかばてるほどのボリュームである.
アクション映画の基本は押さえてあるし,やたら腕力に優れ不死身のニューボンドはそれなりに魅力的,ヴェスパー・リンドとの苦い結末も納得できる.
しかしギャンブル勝負後の展開がなんぼ何でも長すぎる.ここをきちっと締めてくれたら良かったのに.
★★★☆(★5個が満点)
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