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2007/09/19

独断的映画感想文:蒲田行進曲

日記:2007年9月某日
映画「蒲田行進曲」を見る.14
1982年.監督:深作欽二.
松阪慶子,平田満,風間杜夫,原田大二郎,蟹江敬三,岡本麗,汐路章,萩原流行,清川虹子.
つかこうへい原作・脚本の傑作舞台劇の映画化.
売れっ子俳優銀四郎は芝居がくさいのと激情に走るのが欠点.その銀ちゃんに憧れる大部屋俳優ヤスのぼろアパートに,銀ちゃんが落ち目の女優小夏を連れ込む.
気立ての良い小夏だが,会社から身辺整理を命じられた銀ちゃんは,妊娠した小夏をヤスに押しつけるために連れてきたのだ.20
実は小夏の大ファンだったヤスは銀ちゃんの言うことならと引き受けるが,その目の前で銀ちゃんは小夏を抱いてしまう.それでもヤスは小夏のために,スタントまがいの切られ役殺され役を志願し稼ぐのだった.
折しも銀ちゃんが撮影中の新撰組映画では,クライマックスの39段の階段落ちをやる役者が決まらず,映画は暗礁に乗り上げていた….
という訳で展開する映画の映画.
つかこうへい特有の容赦のない機関銃のような台詞の洪水と,体当たりの芝居,テンポの良いドラマの展開が,パワー溢れる画面となって観客を圧倒する.
芝居であることを巧みに利用した場面の転換やどんでん返しの楽しさも充分.
何より観客は,冒頭の東映京都撮影所の俯瞰図から撮影現場に降りてくる一連の描写で,あっと言う間に映画に引き込まれて行くであろう.21
筋立ての展開の緩急も自在で,ヤスの真情に打たれた小夏が,ぼろアパートで無理矢理ヤスにプロポーズを言わせた次の画面では,もうヤスの故郷の駅で小旗を掲げた群衆が待ちかまえ,跨線橋の上ではブラスバンドが「蒲田行進曲」を演奏している.
階段落ちの前夜,ヤスが不安と銀四郎への複雑な思いから小夏を相手に大荒れした後,小声で小夏への思いと苦しい胸の裡を語る場面では,涙を禁じ得ない.
とにかく泣いて笑って手を叩く,映画ってこうでなくっちゃ.文句なしの傑作,一見の価値あり.
ところで,「東映京都撮影所」が舞台なのに何で「蒲田行進曲」なの?22
★★★★☆(★5個が満点)
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